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2005-06-29 平成17年第2回定例会(第6日目) 本文
2005-06-29 平成17年第2回定例会(第6日目) 名簿

  • "技能検定合格者"(/)
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  1. 鹿児島県議会 2005-06-29
    2005-06-29 平成17年第2回定例会(第6日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(金子万寿夫君) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    増 留 貴 朗 君    鶴 田 孝 雄 君    平 瀬 新一郎 君    岩 下 吉 廣 君  一、議案第一一〇号から議案第一三二号まで及び報告第二号の常任委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━    △ 一般質問 2 ◯議長(金子万寿夫君) まず、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。
     増留貴朗君に発言を許可いたします。    [増留貴朗君登壇](拍手) 3 ◯増留貴朗君  おはようございます。  平成十七年第二回定例会に際し、一般質問をいたします。  まず、建築関連技能士の育成と活用について質問します。  私は、これまでにも、技能士の活用を本県建築行政の運用の中で生かしていただきたいと訴え続けてきました。県では十七年度から、建築工事指名競争入札参加等の指名基準に関する要綱の一部改正を行い、入札参加資格格付区分建設工事標準金額も引き下げられました。そのような中、品確法などを視野に入れ、業界では建築工事における一級技能士の活用を拡大してほしいとの声が高まっており、その改正があってもよいのではと思っております。  すなわち、公共工事のあり方が問われている昨今、一級技能士現場常駐制度、技能士の優先活用を図るため、所管する建築工事等のうち一定規模以上のものについて、請負業者が一級技能士などの技能検定合格者を現場に常駐させ、その技能士にみずから作業をさせるとともに、他の技能者の作業指導を行わせる制度の見直しを積極的に推し進めるべきだと思います。  熊本県では、県専門工事業団体協議会の要請を受け、建築物の面積要件を設けず、すべての工事を対象とし、作業中に技能士が常駐することとしております。対象は二十三種、二十七作業です。また、佐賀県は十六年四月から、公共建築工事における一般技能士の活用を推進するため、これまでの運用方針を一部改正し、工事規模を延べ床面積五百平米以上に拡大、十六職種に大幅拡充し、未適用の九業種に関しては技能者の合格状況等を見ながら勘案し、対策を講じていきたいとしています。  本県もそれなりの対応はしていると認識をしていますが、県技能士会連合会県職業能力協会は連名で毎年、一級技能士現場常駐制度の導入についての申し入れを行っていると聞いております。その申し入れの詳細について、また県の現行の制度の運用はどうなっているのか、さらに一級技能士現場常駐制度を基本的にどのように考えているのか、土木部長に伺います。  林務水産部長、県は、森林・林業の活性化、木材産業の失地回復、木材需要拡大のための切り札的施策として地材地建キャンペーンを展開しています。私も林材人としてあらゆる機会、あらゆる場所で地材地建のPRをするように心がけています。その過程から強く感じているのは、先ほどから話題にしている技能士、特に木造住宅では大工を初めとする職人と呼ばれる人たちに県が進める地材地建の内容を理解してもらい、協力してもらうことが絶対に必要だということです。  これらの技能士はみずから工務店を経営し、公共の仕事を請け負っている人もいますが、町屋仕事という民間の住宅、民家を専門とする人には、県とか市は建築確認の許可を取るためのつき合いでしかありません。しかしながらこの人たちが最も、自分の家を、自分の住宅をつくりたいと考えているユーザーと接して、住宅建設の情報を持っております。残念ながら、この大工、工務店に地材地建キャンペーンはまだ完全に行き届いていません。川上から川下まで、ユーザーまでの体制づくりをいま一度点検し、強化すべきであろうと思います。林務水産部長の見解を伺います。  そして、何よりも声を大にして言いたいことは、大工を初めとする建築関連技能士の育成についてであります。この取り組みについて商工観光労働部長にお伺いをします。  さらに、民間住宅を含め、木造住宅の建設推進には土木部の協力が不可欠であります。改めて土木部長の答弁もいただきたいと思います。  次に、教科書採択についてであります。  本年、西暦二〇〇五年、平成十七年は我が国にとって日露戦争の勝利から百年目、さきの大戦、大東亜戦争いわゆる太平洋戦争の敗戦から六十年目という節目の年であります。そして、現在、我が国は国連安全保障理事会の常任理事国になるための運動を活発に展開をしています。  このことに反応するかのように、この四月中国各地で反日デモが起こりました。このデモは中国政府の容認のもとで行われ、日本の安保理常任理事国入り反対の意思表示を民衆のデモという形であらわし、現地の日本企業の建物、さらには日本大使館までもが破壊をされました。襲撃をされました。そのことが当初の予想よりも大きな国際社会の不評を買ったため、大急ぎで急速、中国政府が鎮圧に回ったというのが真相であろうと言われております。  昨日の夕方、報道を聞きましてびっくりしました。中国大連での日本人学校の副読本の取り扱いの問題です。私どもの常識では、日本人の子弟が外国で日本人の学校で勉強する。当然日本流の、その当該の国のいわゆる教え方でいいものであろうと、当然のことだと思っていたんですが、そうではなかったようです。詳しくは申し上げませんけれども、大変意外な感じを受けております。  韓国との問題にしても、竹島問題が噴き出し、靖国問題、教科書、そしてそれらを包含した日本と韓国の歴史認識問題が大きく立ちはだかっていることになります。このことをもう一回私ども日本国民はしっかりと認識をし、勉強をしなければいけないと思います。  北朝鮮との関係は、これらの国よりも、拉致問題、核開発問題などがあり、軍事的リスクを考えるというとさらに困難で危険であります。  東アジアでの現在の国際関係を地政学的に、さらにその上に過去の歴史の事象を重ねた日本を取り巻く今の国際政治力学、それは、開国をし、明治維新をなし遂げ、我が国が初めて近世の国家社会に踏み出した十九世紀末、わずか百年余り前の環境と基本的に変わってないように思えます。特に東アジアの長い歴史の政治的体質、政治的文化とも言うべき冊封体制の根っこは今でもしっかりつながっているととらえるべきだと思います。  さらに、衝撃を受けたのは反日デモの参加者、「愛国無罪」と叫びながら、日本を敵視して傍若無人の行動をとる反日教育で育った中国の「江沢民の子」とも言われる中国青年です。  私はここ二十年間中国に行っておりませんが、昭和五十七年九州議長会の中国訪問団として県議会から武先生のお父さん、武恭彦先生と二週間ほど行ってまいりました。文化革命が済んだ直後でありました。二週間、通訳の九州大学を卒業された鄭という中国外務省の通訳の方と、中国共産党について、中国について、中国の歴史について毎日のように話をしてまいりました。九州大学を卒業された方でありましたので、文化大革命では地方に下放になってようやく帰ってきたということでありましたが、今みたいな中国の空気ではありませんでした。  上海の、当時江沢民が委員長をしていた上海市の人民委員会にも参りましたし、南京市にも参りました。南京の第十重点中学校に参りましたときに、校長室の上に「思想工作所」という札が立っておりました。学校との会話の中で、校長先生は中国共産党の党人であり、しっかりと中国共産党のことを教えるそういう人でなければいけないということで、思想工作所と書いてあるんですかということから始まりまして、中国のいろんな教育の話をいたしました。日本に対しての話も聞きました。突っ込んで話をしました。  そのときから南京の虐殺の話を、実は私も鹿児島の四十五連隊という連隊、しかも私のおやじたちが行って、虐殺をされたと言われておりますが、そういうことはしなかったと言っておりますということから話をしました。いろんなことを言いました。第六師団団長の谷寿夫師団長、百人切りの鹿児島の野田毅、あるいは向井敏明、四十五連隊の第二中隊長の田中軍吉、これは全部冤罪ですということも話をしました。  そのときの校長先生は、「日中国交回復をしたんだからもうそんな話はなしにしましょうよ。日本と中国は一衣帯水ではないですか。小異を捨てて大同につくということだったんだから、それはもうなしにしてこれからの将来、一生懸命にお互い仲よくしましょう」というそういう話を現実にしてきました。上海では黄甫公園で若い青年の皆さん方と、日本へ行きたい、日本でぜひ勉強をしたいというたくさんの青年たちと話をしてきました。  それが今回のあの反日デモを見て、教育の効果というものはこんなに怖いものかということを実は実感をしております。教育の効果をあらかじめ予測し、偏った情報だけで特定の歴史教育を子供たちにすり込んだらどうなるのか。皆さん方にも御記憶があると思いますが、以前テレビで放映をされた東ヨーロッパ、ルーマニアのチャウシェスク政権下の親衛隊や秘密警察を構成したと言われる「チャウシェスクの子」という報道も思い出しました。  同じような例を挙げるなら、先ほど申し上げた中国の文化革命時代の紅小兵、あるいはカンボジアのポルポトの手先として大変な虐殺事件を起こした青年たち、教育の怖さ、難しさを改めて考えます。  しかし、人間に教育は絶対に不可欠な行為です。厳しい生存競争を繰り広げる国際社会の中でたくましく生き抜く日本国民をしっかりと育てるのは、国家の責務です。国民教育すなわち義務教育であります。そのためにはどのような教育を国は用意をすればいいのか。そしてそのための手段としてどのような教科書を使用すればいいのか。それを決める四年に一回の小・中学校義務教育課程教科書採択手続が現在、県教委の指導のもと県下十二の採択地域で調査研究などの事務手続が進んでおります。  そこで、まず知事にお尋ねします。  一つ、知事、あなたが歴史を学ぶときの基本的な考え方、学んでこられた基本的な態度を明らかにしてください。  二つ目、我が国の歴史で世界史的観点から見たとき特筆すべき点についてどのようにお考えか、あなたの考えを教えてください。  三つ目、自分の国の歴史をあなた自身があなたの子供さんに教えるとき、どんなことに気配りをされましたか。  四つ目、知事は就任してから、鹿児島の教育のあり方で県教委と意見交換をしていると思います。マニフェストにもありました。そのやりとりの中で歴史教育について話題にしておられること、もし自分の希望を述べておられるならそれを明らかにしていただきたいと思います。  五番目、義務教育で愛国心、国を愛する心を学校で教えるべきだと思いますが、このことについて知事の考えを明らかにしてください。  福元教育長に伺います。  教科書の採択事務が静ひつな環境のもとで粛々と進んでいるようです。そういう意味では、きょうここからあなたに激しい質問をするのはちょっと気が引けるところもあります。しかし、あえて言わせていただきます。  現在、調査研究に当たって、県下の教育関係者の皆さんが大変な御苦労をされておられます。その御苦労にも敬意を表したいと思います。  今回、文科省の資料から見ますというと、今回の採択事務では、一つ、調査研究の時間を確保したい。四年前の前回は八月十五日が締め切りでありましたが、これが三十日まで半月ほど延びました。二つ、選定資料が各採択権者のより参考となるよう内容の一層の工夫・充実を図ること。これは特に都道府県教育委員会に対して言われていることであります。三つ目、保護者の参画をより一層促進すること。採択協議会に保護者の代表をまだたくさん加えてもよろしいということです。四番目、採択結果や理由等の情報の積極的な公表に努める。そういったことについて通知がなされているようですが、これらについて、四年前の平成十三年からどのようなところが変わったのか、どのような対策がなされたのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。  前回、平成十三年八月十六日、県教育委員会教科書採択の結果についてこう発表しています。  社会科の歴史及び公民の教科書の採択状況ですが、東京書籍が六地区、教育出版が六地区となっており、本県においては扶桑社の採択はありませんでした。主な採択理由としましては、基礎・基本の確実な定着、みずから学びみずから考える「生きる力」の育成など、新学習指導要領の全体の趣旨を踏まえ、例えば、学び方や考え方を習得するための問題解決的な学習への工夫が見られる。調べ学習、体験的な学習への工夫が見られる。ディベート学習を提起することにより、意欲的に学ぶことや考えることへの配慮や工夫がなされている。及び系統的な学習のための内容の精選と基礎的・基本的内容の習得への配慮がなされている。これを踏まえて採択をしておりますということでありました。  そして、直接県教委が採択権者になります県立盲・聾・養護学校のその教科書採択については、交流学習や体験学習があるとの理由で採択地区と同じ教科書を使用している。  先ほど申し上げたように、県教委は、これらの学校の教科書の採択についてはみずからが採択権者であって、その採択を、県下の市町村教育委員会を指揮する立場にあるわけです。私はこの採択のあり方は、議事録を見せていただきましたけれども、各地区の採択協議会に逆に引きずられているように思えるんですが、県教委はどのような観点、独自性を持って盲・聾・養護学校の中学部の歴史教科書の採択をしたのか、教育長の答弁を求めたいと思います。    [知事伊藤祐一郎登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君) 歴史教育のあり方等についてのお尋ねがありました。  歴史を学ぶ意義についてでありますが、単に過去の出来事を知るだけではなく、現在の自分たちの生活や国家・社会の発展の基盤がどこにあるかを考えたり、過去の出来事を現在及び将来の発展に生かすことを考えたりすることだと考えております。歴史を学ぶときには、「過去に無知な者は未来から見放される運命にある」という教訓をいつも頭に入れているところでもあります。  歴史上の特徴についてのお話がございました。  いろんな視点があると思いますが、その一つといたしまして、我が国は古代から近世に至るまで、大陸の制度や文化をたくみに取り入れ、国家の仕組みを整えますとともに、例えば平安時代における仮名文字の成立のように、日本の風土や生活に根差した豊かで洗練された文化をはぐくんできております。また、明治維新以降は、欧米の文化を取り入れながら急速に近代化を進め、複雑な国際情勢の中で独立を保ち、政府や国民の努力によって短時間において近代国家の基礎を整えてきたところでもあります。  このように、我が国はみずからの伝統や文化を大切にしつつ、外国の文化を柔軟に取り入れますとともに、特に江戸時代における藩校やまた明治時代以降の義務教育制度の普及など、人材育成に熱心に取り組んできたこと、さらには勤勉な国民性などに支えられて、国際的にも重要な地位を占める国家に発展してきたと考えております。  子供に歴史をどういう形で教えるかというお尋ねがありました。  子供に対しましては、先人たちの多様な人間の多様な生きざまが事実として積み重なり、それが時々の時代の流れとなることによって歴史になるという意味で、社会の発展の必然的な流れを中心に教えてきたつもりであります。  鹿児島の歴史教育のあり方についてのお尋ねがありました。  教育は、将来の社会を担う人材を育成するという、国、地方を通じて取り組むべき最も重要なテーマであり、教育全般について教育委員と意見を交換してきたところであります。  歴史教育につきましては、郷土に対する深い愛情と理解を育てる教育を積極的に推進いたしまして、一人一人の個性を大切にしながら、ふるさとを愛し、世界に通ずる人づくりを進めることが重要であり、誇りを持ってふるさとの先人たちの業績を子供たちに伝えたいと考えております。  愛国心についてのお尋ねがございました。  国際化が進展し、外国が身近な存在となる中で、みずからの国や地域の伝統、文化についての理解を深め、尊重し、郷土や国を愛する心をはぐくむことは、あえて愛国心として特記することではなく、豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる人間としての自覚を育成する観点から極めて大事なことであると考えております。 5 ◯土木部長(加藤憲一君) 建築関連技能士の活用についてでございますが、建築工事における一級技能士現場常駐制度につきましては、関連する二十八の職種のうち、工事規模、工事種別等に応じて、大工、左官など九から二十一の職種を選定して義務づけているところでございます。  県といたしましては、本制度が品質の向上のみならず技能者の育成を図る観点からも重要であると考えていることや、本年四月に施行された公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法においても公共工事の品質確保の促進を求められていますことから、今後、他県の動向を踏まえながら、適用する規模や職種の拡大など、制度の見直しを検討してまいりたいと考えております。  地材地建の推進につきましては、土木部としても、認証かごしま材を使用した木造公営住宅の建設や、かごしま材家性能保証支援制度による普及促進を図るとともに、県木造住宅推進協議会を通じて、工業高校生を対象とした建築現場見学会かごしま木造住宅コンテストの実施など、住宅建築の担い手である大工などの技能者の育成に取り組んでいるところでございます。  今後とも、林務水産部商工観光労働部と十分に連携を図りながら、その推進に努めてまいりたいと考えております。 6 ◯林務水産部長(諏訪弘美君) 地材地建の推進につきましては、これまで、木材団体や住宅建設団体等で構成する県木材利用推進運動協議会及び県木造住宅推進協議会の活動などを通じて、消費者や木材関係者、工務店、大工など、木造住宅に関係する方々への普及定着に努めてきております。  地材地建をより幅広くかつ効果的に推進するためには、地域で活動する技能士の方々の住宅建設情報が重要でありますことから、県技能士会連合会も参画した新たな組織として地材地建普及推進協議会─仮称でございますが─これを本年八月ごろを目途に立ち上げたいと考えており、今後、関係団体との協議を進めてまいりたいと考えております。 7 ◯商工観光労働部長(原田耕藏君) 建築関連技能士の育成につきましては、県立宮之城高等技術専門校及び民間の三認定職業訓練校におきまして訓練に当たっておりまして、平成十六年度は八十五人が訓練を受けております。また、二十三歳未満の青年技能者の技能五輪への参加や技能検定の推進などによりまして、優秀な技能士の育成に努めているところでございます。その結果、資格取得に対する関心も高まっておりまして、建築関連職種一級技能士は年々増加傾向にございます。  今後とも、本県産業を支える技能士の育成と技能の尊重される社会づくりに努めてまいりたいと考えております。 8 ◯教育長(福元 紘君) 教科書の採択事務の改善につきましては、県教委では平成十三年度に採択のための基準や観点を大幅に見直し、その改善に努めてきております。本年度の調査研究につきましても、日程を二回に分けることで一教科に対する吟味の時間を十分に確保しながら、参考資料を作成したところでございます。  各市町村教委に対しまして、指導主事等会議等を通じまして、調査研究の期間を延長したり、巡回展示の期間を長くするよう指導しますとともに、地区の選定委員への保護者の参画を促しております。また、採択の方法について、開かれた採択の観点から、採択の手続を明確にするとともに、採択後は情報開示に努めるようあわせて指導しております。この結果、すべての採択地区協議会で巡回展示の期間が延びたり、保護者の参画が図られております。さらに、情報開示についても、積極的に公開され、より適正かつ公正な採択が行われるようになってきております。  盲・聾・養護学校の教科書の採択に当たりまして、県教委では、学習指導要領に示されている基礎的・基本的な内容の確実な定着、体験的な学習や問題解決的な学習の重視、生徒の興味・関心を生かした自主的・自発的な学習の促進等のさまざまな観点から、調査研究を行っております。  これに加えまして、各盲・聾・養護学校からの採択希望及びその理由、同一地域内の小・中学校との交流学習の状況、生徒の障害の状態や特性と教科書の特徴との関連などを総合的に勘案しまして、県教委での十分な検討を経て、採択教科書を決定いたしております。    [増留貴朗君登壇] 9 ◯増留貴朗君  まず、建築技能士の育成とその活用についてでありますが、お三方の部長さん御答弁ありがとうございました。  単にこの建築技能士の活用は建築産業だけにとどまらず、木材製品を媒体として本県の森林・林業の活性化はもとより、手に職を持つ物づくりの職業人の育成、また産業教育など、雇用を含めてはかり知れない私は事業であると思っています。  地材地建の核に国、県、市、町村、そして設計を含めた建築業界、さらには宅地・建物業界、金融業界などを系統化する新しい試み、先ほど林務水産部長の方から、技能士連合会を加えた新しい組織ということでございましたが、さらにこれをもう一つ広げてもいいのではないかと思います。商工観光労働部等とまた話し合いをしていただきながら、よろしくひとつ施策を体系化していただきますようにお願いをいたしておきます。  知事の歴史認識は少しだけわかったような気がします。実は突っ込んで今、この時期に知事に伺いたいとは思っておりませんでした。ただ、知事が就任されて一年たちましたので、マニフェストにも「教育問題は私の一番大切な人づくりの、ふるさとづくりの柱である」ということでございましたので申し上げました。  コメントを申し上げるというと、「愛国心を特記することなく」という表現に引っかかっております。愛国心という言葉を使うというと、何か特殊なことを考えている人間、特殊なことをするような人間に受け取られる今の風潮、これがそもそも私はおかしいと思っています。自分たちの生まれ育ったふるさとを含めて素直に国を愛しましょうや、これがなぜ定着をしないのか。  あの日露戦争の仲介をしてもらったポーツマスでのルーズベルト大統領、大きい方のルーズベルト、セオドアという名前になりますか、あの大統領が、なぜ日本という国はあの小国でありながらロシアに勝てたんだ、そして、日幾ばくもない日本の兵士たちがなぜあのように戦えたんだということを聞き、その理由として、一つの国にまとまるというのはどういうことだったのかということで、小村寿太郎あるいはそれを支えた金子、ちょっと下の名前は忘れましたが、金子という日本のルーズベルト大統領と親しい方に聞いたそうです。その日本からの答えは、長い歴史の中での日本の国柄、すなわち天皇制を中心とする日本人のまとまりというものでありましょうということだったそうです。  そのことを聞いて、アメリカという国は多民族の国家、新しい国家、歴史は日本ほどない。何で国民を一つにまとめるか。自分の家族ともいろいろと議論をし、結果として出てきたのがアメリカ国旗、星条旗のもとにまとまるということで、アメリカという国は自分たちの国を、自分たちの国の国柄をアメリカの国旗に託すようになった。そう伝えられております。  そのこと一つを考えてみても、私は日本人がこれまでの歴史の中で陰もありひなたもあり、いろいろやってきました。先人を学ぶというときに愛国心という言葉を特別に使ったという意識がなくなるような日本であってほしい。そのことを思います。ぜひひとつまたそのことについてお話を伺いたいものだと思います。  教育長、時間がありませんのでどこまで詰めることができるか、場合によっては文教委員会の方へお願いをしなければいけないと思うんですが、実は採択地域の、十二の採択地域の採択を決定をする最後の協議会の会議録を取り寄せてみたいと思いました。学校教育課を通じてお願いしたいということで申し上げました。そういうものはまだ私どもの手元にありません。努力をしてみますということでありました。それでは、東京書籍三地区、文教出版三地区、十二のうちの半分ずつでいいからそろえていただきたいということで御協力をいただきました。鹿児島市は私自身が出かけていきまして、二千百円分のコピー料を払って全部コピーをして調べてきました。  これを読んで、わからんのです。わからんというのは、まず第一に、県の教科図書審議会がつくられた参考資料のどの教科書はどういったぐあいに書かれておりますというものが、実はどれが一番いいと思ったり、あるいはどれが特徴があると書いてあるのかということはほとんど読み取れない。私の知り合いの何人かの地区採択協議会に出席をされた採択委員をされた方々にも会って、あなた方は一体どういうことをやったんだ、どういったことで自分はこの教科書がいいということを決めたんですかということを聞いたんですが、ほとんどの採択教育委員、そして市町村の教育委員は「全部を読み通すことは不可能でしょう」。  実際にやってみて本当に思いました。社会科だけではありません。小学校、中学校、すべての教科のもの、そして十社ないし多いものは十二社の本があるわけですから、それを全部読んで、それを点検をして、そしてそれを教育的な経験法則に基づいてどれにしましょうとなったときに、とてもではありませんが、市町村の教育委員に採択権はあるんだから、教育委員会に採択権はあるんだからあなた方独自で判断をしなさいというのは、これは正直言って至難のわざだということを自分でやってみて思いました。  しかし、少なくとも、つくられた公式のこの資料は、先ほど情報公開を一生懸命に進めてきましたとこう言われたんですが、我々素人の県民でも判断ができるようなものでなければいけないと、こう思っています。観点が十あり、そしてそれにそれぞれの教科書会社の評価が書いてあるんですが、どれを特徴にして挙げて皆さんにわかっていただけるのか、これはもう資料を見てもわからないわけでございますので、言葉ではちょっと言いあらわせません。  ほとんど頭の方は、教科の目標、各学年の目標は正しく取り入れており、学習指導要領の趣旨が生かされている。これは全部です。内容の記述は正確かつ公正であり、多面的・総合的な面からの配慮がなされている。これも全部です。内容は厳選され、基礎的・基本的な内容が記述されている。こういうことは全部の教科書に書いてあるんですね。それを言ってみますというと、「いえ、教科書の検定は文科省がいたしております。文科省がしっかりと検定作業をし、検定を通した本として来ておりますので、私どもはそれについて何も文句を言う権限はありません」と、こうおっしゃるんですね。  それじゃその中から一冊を一体どういうぐあいにして選べばいいのということであるんですが、各採択協議会の参考資料、これも全く県の参考資料に同じようなことが書いてある。  そして、先ほどの鹿児島県立の養護学校の採択の平成十三年第五回県教育委員会、八月十日に開かれた議事録では、教育長の説明がありまして、教育委員の発言があります。名前は伏せます。  委員、「地域の小・中学校との交流も考慮して、その地区の教科書と同じものを採択するということですが、各地区の採択結果は八月十五日まではオープンにしないということではありませんでしたか。地区で決まった後であれば問題はないと思いますが」、教育長、「十五日までオープンにしないというのは混乱を避けるためで、実際の手続はすべて終了しています」、学校教育課長、「八月六日までに各市町村の教科書の需要数の報告を受けております」、委員、「わかりました」。  また別の委員、「盲・聾・養護学校以外の特殊学級の教科書採択はどうなっていますか」、学校教育課長、「市町村が採択権者ですが、恐らく地区と同じものを採択すると思います。場合によっては実態に即した文科省著作教科書を採択することもあります。これは特別な養護学校への教科書のことでございます」。  また別な委員、「学校から扶桑社の教科書をという声はありませんでしたか」、学校教育課長、「盲・聾・養護学校については扶桑社の本をという声はありませんでした。小・中学校については把握しておりません」。  別な委員、「個人的には中学校については扶桑社の教科書は中身が充実しているという感想は持っていたので、採択される地区もあるのではないかと思っていました」、扶桑社以外の会社の歴史教科書で鹿児島県出身の有名な人物が載っていなかったり、全くなじみのない人物が載っていたりして、中学校で教えるのにふさわしいのか疑問に思うこともあり、そのようなところも今後は見直す必要があるのではないかと思います。「歴史教科書の見直しは何割ぐらい行っていますか」、「十二地区のうち半分以上の七地区で見直しを行っております」、「盲・聾・養護学校の教科書についてはきちんと手続を踏み、学校の意見も聞いて、子供たちの実態に合ったものを選んだ方がいいと思います」。  「ほかに御意見ございませんか」、「ございません」。委員長、「今回の教科書採択については、歴史教科書をきっかけとしていろんな議論を呼んだところですが、このように多くの人が関心を持ち、議論されたことはよい方向にあるものと思います。それでは、議案第二号は原案どおり決定してよろしいですか」、全員異議なし「議案第二号は原案のとおり決定されました」。これが議事録です。  僕はこれが違法であるとかそういう意味で言っているんじゃないんですよ。僕は申し上げたいのは、教育委員の中でも、五人おられるわけですが、少なくとも二対三で意見が分かれたなと思っているわけですね。そういう採択地域が恐らく十二の地域の中ではあったのではないかと思うんですが、そのことを実は調べるすべがない。県教委そのものに質問をしても、「それは全然やっていません。資料がありません」。  結果として、私どもは情報公開という制度の中でどういうぐあいにして採択をされたかを知らなければならないんですけれども、私が今回の質問に合わせてやってみましたけれども、大変に残念に思っておりますし、失策をしたなと思っています。先ほど申し上げたように、静ひつな環境の中で行われる採択事務の段階でこういうことを本当は言うべきではなかったと思っております。早い段階で、十三年度が終わった段階で採択手続がどうであったかを議会でしっかりと議論をすべきであった。このことをやらなかった私は自分が今は悔しくてなりません。  東京都の資料を取り寄せてみました。鹿児島とは全然違います。東京都の資料はしっかりと実はできています。数表化されています。だれでもわかるようになっています。  歴史上の人物を取り上げている箇所は何カ所あるか。原始、古代、中世、近世、近現代、そしてこれを各書店別、各教科書ごとに点数をつけて合計点を出します。現在に伝わる文化遺産を取り上げている箇所数は幾らあるか。同様に原始、古代、中世、近世、近現代、合計。国際関係、文化交流を取り上げている箇所数は幾つであるか。他民族の生活等を取り上げている箇所数は幾つあるか。東京に関する歴史事象、身近な地域の歴史を取り上げている箇所数が幾らあるか。人権に関する課題を取り上げている箇所数は幾らあるか。すべてが数値化されておりまして、そしてこれについて調査の結果として寸評が書いてあります。どこどこの教科書は何について特徴がある。ここの教科書は人権に対して、ここの教科書は歴史的人物に対して、そういったものが東京のこの参考資料からは読み取ることができるんです。  ところが、鹿児島県のものからは全然取り上げることができない。そしてもう一つ申し上げますというと、学習指導要領の該当項目に、国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産をその時代や地域との関連において理解させ、尊敬する態度を育てる。目標二、国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物に対する生徒の興味・関心を育てる指導に努めるとともに、それぞれの人物が果たした役割や生き方などについて時代的背景と関連づけて考察させるようにする。そして、これを詳しく取り上げている人物ということで調べてみますというと、いろんなことが出てきます。  鹿児島県で使っております東京書籍一人、竹崎季長という方です。もう一つの教育出版四名、浅川巧、阿弖流為、杉原千畝、長屋王。そしてほかには東京書籍は、アテルイ、石井十次、岸田俊子、シャクシャイン、尚泰、柳宋悦、李参平、李舜臣の八人。教育出版は、浅川巧、阿弖流為、安重根、これは何と読むんでしょうか、姜〓、シャクシャイン、知里幸恵、李舜臣。こういうことで、今使っているやつですよ。そして登場しない。小学校で四十二名、ぜひ歴史教科書等で教えてほしいという人物が文科省の中で挙がっているわけですが、東京書籍は、登場しない人物は、行基、北条時宗、勝海舟、明治天皇、陸奥宗光、小村寿太郎、東郷平八郎、野口英世、教科書には一切挙がっていない。教育出版は、陸奥宗光、小村寿太郎が挙がっておりません。非常にバランスがおかしいと実は評価がされている本です。  ですから、これがいいとか悪いとかと言っているんじゃないんですよ。こういうことが一般の県民にもわかるような参考資料というのはできないかということなんです。そのことをどうお考えなのか。先ほど十三年度に大幅な改善をしたということですが、今申し上げたようにぜひひとつ、本県教育の基本になることでございますので、先ほど知事が申されましたようにぜひひとつお願いをしたいと思います。  それからもう一つ、非常に残念なことがありました。これも外部からの指摘で僕は直接会議の中で赤恥をかいたんですが、教科書の見本本の展示会、これの県教委のホームページが実は昨年の平成十六年度に小・中学校で使用する教科書の見本本を県内十七の会場で展示していますので手にしてくださいということで、十六年度のままが実はきのうまで出ていたんですよ。僕はきのうやかましく言って、すぐ変えろということで、きょうは「申しわけありません。十七年度のものに変更をしました」という通知を受けましたけれども。  どうも県教委が、先ほどから申しておりますように、指導、助言、援助をするということになっていることによって、直接の採択権は地区採択協議会がするということで何か手抜きをしているのではないかな、そう思えてなりません。教育長の御答弁をいただきたいと思います。 10 ◯教育長(福元 紘君) 県教委といたしましては、採択のための参考資料は各教科書の特色がわかりやすいものであるということに心がけていくべきであると考えております。そこで、本県の参考資料におきましても、各教科書に掲載されている教材数などを適宜示しております。御指摘のございました東京都の教育委員会は、ホームページ上で教科書会社ごとに掲載されている教材を項目ごとに分類いたしまして、その掲載箇所数を示したデータを公表しております。点数化されたというものではないと理解しております。  これらのデータにつきましては、教科書会社がみずからの教科書の特徴を掲載した趣意書におおむね示されておりますので、県教委ではホームページ上の趣意書を活用するよう各地区に指導しているところでございます。  また、御指摘のございました、私どもがホームページに載せた日付の点につきましては早速訂正いたしましたので、申しわけなかったと思っております。
       [増留貴朗君登壇] 11 ◯増留貴朗君  県教育委員会の作成した選定資料は市町村各教育委員会に配布された。前者について、学習指導要領の目標を評価の観点として記述式で作成されていた。しかし、入念に読んでも各社間の差異は明確でなかった。だから、この資料が研究会の有力な資料となり得たとは思いません。もちろん採択地区協議会でも話題にもなりませんでした。  全教科、会社の教科書を研究するということは個人の力としては不可能であるので、国語、歴史、公民、日本人の精神的骨格を形成する教科のみ集中的に協議会で研究、検討し、採択結果は研究会に委嘱した協議で追認という形をとってもよいのではないでしょうかといったような手紙を実はいただいております。いろいろと改善をする余地があるようです。  人間の一生の中で最も多感な中学生時代に、父祖の来歴、日本国と日本人の歴史について関心を持ち、正しく学ぶことは、国際社会に生きる日本人としての精神的骨格を形成する上で極めて重要なことであると思います。  それゆえに歴史教科書は、我々の祖先がそれぞれの時代を、時代の価値観に即して精いっぱい生きてきたのだと実感させる真実の物語が求められると思います。また、それを学ぶ中学生にとっては、日本人としての国家への信頼と誇り、あすへの活力、生きる力をはぐくむものでなければなりません。すなわち、中学生は、父祖の歴史を学ぶことによって、何よりも我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てるものでなければならないと思います。  そのための正しい内容と記述、分量を備えている、より鹿児島にふさわしい教育、教科書はどれであるか、それを再点検をするのが私は採択協議会の仕事であろうと思います。  我が郷土鹿児島県は昭和四十三年、明治百年記念式典、金丸知事の時代ですが、多くの記念事業を行いました。このときの行事の趣旨は、幕末から明治にかけて我が国の近代国家建設に活躍した郷土鹿児島の生んだ先人に学ぶことによって、県民の活力を図るとともに、これからの県勢発展に生かすということでありました。特に、あすを担う青少年の教育には特色ある多くの施策が実施され、推進されました。  一つ、県立青少年研修センター、県教育センター、黎明館、県体育センター等、青少年の教育・研究施設が建設をされました。  二つ目、郷土の生んだ先人に関する青少年向けの読み物が出版されました。西郷隆盛、大久保利通等々であります。大久保利通の甲東公の銅像は鎌田県政時代にあの高見橋に百年没後につくられました。  三つ目、岐阜県木曽三川の治水工事と薩摩義士との人的交流事業の促進。  四番目に、郷中教育の見直しと評価と学校における郷土教育の促進。山坂達者、親子二十分間読書運動です。  そのほか研修のために県青少年研修センターに入所する鹿児島の青少年たちは、研修の日程の中に必ず「静思の時」を持ちます。私も行きました。大講堂の中で正座ないし座禅の姿勢で静寂な中に身を置く。その大講堂の壁面にはずらりと郷土の生んだ先人の顔写真が並んでおります。その先人たちの多くを取り上げ、その業績を記述した歴史教科書がぜひ出てきてほしいと思います。そして、郷土を愛し、郷土からしっかりとした国際人をつくり、そして近隣の諸国にもしっかりと親しまれる日本人をつくってほしい、そう思います。  心から文教委員会でまた改めて御協議をいただきますことをお願い申し上げて、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 12 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、鶴田孝雄君に発言を許可いたします。    [鶴田孝雄君登壇](拍手) 13 ◯鶴田孝雄君  まず最初にお断りをさせていただきます。  六点ほど質問をさせていただくことにしておりましたが、カンパチアニサキスの問題につきましては、我が党の代表質問を初め、あとお二人方御質問なさいました。ほとんど求めようとしております回答は得られております。屋上屋を重ねる愚は避けたいと思います。  要望を二点だけさせていただきます。  一点は、国のこの種の取り扱いであります。当然、厚労省の発表があってこの騒ぎが起こりました。この最初の発表する段階でのプレスの方々との対応、これがどうだったのかなと思われてなりません。我々が目にしましたのは、大変な段数の大見出しの記事であります。中身を問いましたら、大山鳴動ネズミ一匹の例えに変わらない。いわゆる、被害は全く出る可能性すらないわけであります。育成中の中で起きている、そういうものであって市場には出回らない。したがって適切に処理さえすれば何の被害も受けずに済むという内容であります。  こういうものは、出し方のまずさからいきなり風評被害、そして県は、安全宣言に翻弄されるという状況がありました。これは出るときにちゃんと、この問題は、安全性という意味では全く心配のないことなんだということをはっきり申し上げてから発表すべきであったろうと思います。したがって、プレスの取り扱いは、囲み記事ぐらいで済んだ内容であったはずであります。そのことを一つ、今後の国との交渉の中でぜひ申し上げていただきたい。  もう一点は、市町村への取り組みであります。風評被害を避けるためにあらゆる手だてをされたのはお聞きしております。  もう一つだけ大事なものが漏れていたんじゃないかと思いますのが、市町村が持っております、各ほとんどの市町村に整備をされております有線放送機器であります。これは、すぐれたPR効果を持っております。したがって、あらゆる情報が一瞬にして全市町村民に伝わることになります。家庭の中、田んぼで働く方、畑で仕事をしている方、すべてに伝わります。これを活用すべきではなかったかと。「全く心配いりません」、このことをしっかりした情報として市町村に協力を求め流すべきではなかったかなと思うことでありました。今後、このような種の事例が出ましたら、何とかそういう方向で取り組みをいただければありがたいと思うことであります。  早速、質問に入ります。  渋谷おはら祭りであります。第八回渋谷・鹿児島おはら祭りは、去る五月二十二日、渋谷駅前の中心街にあります道玄坂、文化通りの二つの大通りを使って、ことしは五十六連、千八百人の踊り連により盛大に実施されたようであります。  ところで、私は昨年の第三回定例会、つまり伊藤知事就任最初の議会であります。この渋谷・鹿児島おはら祭りについて「ぜひ御参加をいただきたい」というお願いをしたのでありました。誘客五十万人を見込むという本県が東京で行うイベントとしましては、最大であります。しかも、他県がこの規模の祭りをやっているとは、聞いておりません。これを、知事に、ぜひメインになるような事業として取り組んでいただきたいということを申し上げておったんでありますが、今回知事は、早速参加をされております。お聞きしますと、はっぴもちゃんと着て、踊り連に加わって先頭で踊っていらしたということをお伺いしました。  これに、参加者が大変感動をしたようであります。「元気が出た」そして「東京で生活することに自信が持てるようになった」、こういう話を出水の参加者と東京在住の参加した方から聞きました。大変うれしいでした。  このセレモニーに参加をされて、知事の御感想をいただきたいのであります。歴代といいましても、第八回の大会でありますから、過去は須賀知事一人でありますが、全くこのセレモニーから踊りにも参加はいただいていなかったようであります。初めての知事の参加ということになります。そこで、ぜひ御感想等をお聞かせください。  二点目として、これはすばらしいイベントであると思っております。それに対して、やや遠慮がちな姿勢が県に見受けられるような気がいたします。今後、この一大イベントを県としてどのように活用されるのか、その点についてお考えをお聞かせください。  次に、スローフード、スローライフの問題で質問させてもらいます。  知事は、就任されてはや一年を迎えようとされております。この間、マニフェストの実行を中心にさまざまな取り組みを続けてこられました。知事と語ろ会を初め、トップセールスとしての行動と、かなり幅広い行動をされてきておることは、お互いにもう既に承知のところであります。多くの県民もすべて御存じでいらっしゃいます。「いや、これは、期待以上じゃっど」という言葉もお聞きしたことがあります。  ところで、その知事が提言されているものの一つに、3Sを7Sにというのがあります。いわゆる西郷、桜島、焼酎の3Sを、長い間、鹿児島県民は誇りにしてまいりましたけれども、これに四つのSを加えられたわけであります。新幹線と温泉、いわゆるこれをスパとして挿入されましたが、それにスローライフ、スローフードこれを加えて四つであります。新幹線は、既に成功裏に運行をいたしておりまして、全線開通に向けても期待がどんどん膨らんできている現今であります。  さらに、温泉につきましては、ひところ何ともこの温泉の知名度が低いという本県では、反省がなされておりましたが、これもある程度PR効果等が出てきておりまして認知度が高まってきていることも事実であります。  そこで、私はさらに注目されるのは、スローフード、スローライフ、この二つであろうと思っております。このスローライフ、スローフードを軌道に乗せるとしますと、本県は、間違いなく、しかも限りなく浮揚していくのではないかと思うからであります。ここに着目をされた知事に敬意を表します。食の創造拠点かごしまあるいは観光立県かごしま、こういうことではうたってまいりましたし、努力をしてまいりました。  しかし、これに七つのSという非常にわかりやすい言葉で県民に訴えていかれる、この姿勢に私は感服をいたすのであります。これを根底にして具体的な事業展開を進めていかれようとしている姿勢がうかがえるのであります。旅をするなら鹿児島県、ゆっくりするなら鹿児島県、いやされる風土は鹿児島県、人間回帰の鹿児島県、自然と共生鹿児島県、安心・安全鹿児島県、ゆっくりズムの鹿児島県、そういうことになります。  このスローライフ、スローフードの具体的施策の一つにグリーン・ツーリズムの推進があります。財団法人九州地域産業活性化センターが、北薩地域を対象に実施しましたグリーン・ツーリズム運動に関する調査報告書には、人口流出が進み、過疎・高齢化が著しく進行する北薩地域の再生活性化策として、このグリーン・ツーリズムの推進が期待されることを述べております。  この調査には、北薩地域の出水、川内、川薩、伊佐、姶良の各市町村が対象とされておりまして、県も農政課、経営技術課等が、それに観光課もかかわっておられるようであります。この報告書のアンケートについて、その一つに「北薩地でゆっくり過ごしてみたいと思いますか」というのがあります。その問いに対しまして、一千二名のアンケートに対し九百四十五名が、いわゆるパーセントにして九四・三%でありますが、「そう思う」と、北薩地でゆっくりしたいと答えていらっしゃるわけであります。まさにスローライフな旅を求めていらっしゃるわけであります。  このことについては、もう一つの非常にすばらしい情報誌があります。先般、書店で求めたものであります。タイトルにほれ込んで求めました。「さすが南九州格付けガイド」という本であります。みずからを辛口編集者と自認される女性七名、男性一名、合計八名がスタッフとして視察をし、一カ所最低三回というノルマを課してありますが、視察をし、評価をされ、そして南九州三県の観光ランキングを紹介されたガイドブックであります。最高のランクは、三つ星であります。星半分という評価もありますから、六段階の評価ということになります。その中で、南九州三県を次のように紹介されております。「二〇〇四年七月、熊野古道が世界遺産登録された。和歌山、三重、奈良の三県にまたがる熊野地方は、神仏習合の聖地と呼ばれ、その深い自然を縫って走る太古からの道が、脚光を浴びている。熊野古道は、デジタル化のうねりにさいなまれた現代人にとって、心に安らぎを満たしてくれるスピリチュアル・サンクチュアリ・エリアの大切さを再認識させてくれた。これらのことを熊野地方よりももっと強烈に、大規模に教えてくれるエリアが日本に存在をする。南九州三県と称される鹿児島県、熊本県、宮崎県の三県である。熊野古道よりもはるかにスケールの大きいスピリチュアル・サンクチュアリ・エリアを有し、そこに続く照葉樹林帯や原生林は比類なき美しさを誇っている。南九州の雄大な自然に抱かれ、キラ星のごとく輝く宝石こそ本書で紹介した数々の旅情である」と、こういうふうにうたって、数々それこそ挙げてあります。「今の旅気分をぎっしりと詰めた、これほどの観光エリアが日本にあるのが、しかも余り知られていない。この驚きが本書を出すきっかけだった」、このように南九州三県にわたるエリアは、日本一魅力的であると明言、断言し切っているのであります。  今、南九州が、特に鹿児島が、日本の旅ファンの人々に紹介されるスポットになっているようであります。この本の内容そのものがスローライフ、スローフードの時代を迎えている中で、本県が最適地であることを認識させるすばらしい本だと思うところであります。  そこで、質問をいたします。  このスローフード、スローライフに対する知事のお考えをお聞かせください。  二点目としまして、これらの具体化、推進策についてお示しください。  三点目として、このスローライフ、スローフードのうちスローフード運動については、一九八九年イタリアで発足した非営利団体スローフード協会が存在しており、世界で四十五カ国、会員八万人を擁する組織になっているということをお聞きしました。日本にも三十二カ所の支部と二千人の会員がいるとのことであります。これは調査時点がちょっと古いかもしれません。どんどん広がっているということをお聞きしております。これらの組織とはどのようなかかわりを持っていかれるのか、そのスタンスもあわせお聞かせください。  次に、宝暦治水について御質問いたします。  NHKは、これを「ほうりゃく治水」という言い方をしておりました。六月一日NHKのテレビ放送「その時歴史が動いた」という番組は、本県薩摩が藩の存亡をかけて実行した宝暦四年から五年にかけた木曽三川治水事業について放映をいたしておりました。平田靱負を初めとする薩摩の武士が、幕命による難工事に命がけで立ち向かう姿が心打たれる内容で放映をされておりました。  当時の薩摩藩は、参勤交代等の費用がかさみまして、多額の借金を抱えているという状況であります。六十六万両の借金をしていたということであります。そこに千二百キロもの遠方の地で、それも百二十キロに及ぶという治水工事を、それも藩の財政でやれという幕命が下るわけであります。そしてそれは、名称を「お手伝い普請」というわけであります。  これを断るということは藩の断絶、つぶされるわけであります。その理不尽な幕命に対する薩摩藩士の猛烈な反発状況はドラマでしっかり見せてくれました。家老平田靱負に対して一戦交えるべしという、死を覚悟した藩士たちもおったようであります。それを見事に平田は、武士の大義というものをもとにして説得をするのであります。後に、義士と言われることになるほどの大変な苦労を伴った事業をいよいよ遂行するのであります。  このわずか五十分にも満たない映像の中で、何回か涙することでした。その武士たちが誇りも捨てて、刀をくわに、もっこに持ちかえ頑張る姿、ここには、その後、岐阜を初め鹿児島でも多くを語られてきております。余りの過酷な命令、しかもこれは、お手伝い普請そのものが藩財政を窮地に追いやることを目的にして行われた参勤交代と同じ趣旨のものであります。  借金のかさむことをむしろ強いる。例えば、工事を途中でやり直させる。あるいは専門家の雇いを拒否する。そういう中で苦しみながら続けてまいります。しかも、宿と指定されたところには数名を押し込み、農家であり、納屋であり、小屋である、そういう場所を提供する。とても武士が泊まるような場所ではない。食事も一汁一菜、工事に当たれば無理強いを言い、無理難題を吹きかけてやり直させる。余りのことに割腹自殺して抗議の姿勢を見せる者が続出していくわけであります。残念なことにこの自殺は認められません。幕府に知れたらそのまま取りつぶしになるということで、すべてけが、病気ということで伏せられてしまう。そのような状況で頑張っていたのが薩摩武士であります。そして、最後は、すべての責任をとって平田も腹を切るわけであります。  こういう状況は、鹿児島の人なら皆さん御存じである。そして、その方々には、義士という名前をつけたわけであります。  岩崎さんは、先ほどお聞きしますと、毎年この治水神社に子供たちを連れて参りに行かれるそうであります。多分子供たちも誇りにしていると思います。そのような折にこういう文書が出たんであります。これは、名古屋大学附属図書館から出た「館燈」という冊子であります。驚くべき内容が記されております。書かれたのは、秋山晶則という方であります。年代測定総合研究センター教官となっております先生であります。こういう記述があるのであります。「次に、展示内容であるが、特に意を用いたのは宝暦治水及び薩摩藩士にかかわる事跡、歴史意識の再検討である。宝暦治水の実像をよりリアルに描くことを目指した点である。一七五四年から五五年、これを幕命により薩摩藩の手で実施されたこの宝暦治水は、三川分流という壮大なスケールとともに、膨大な投資と多額な費用が払われたことで有名であり、流域を水魔から救った功績が喧伝されてきた。しかし」、ここからであります。「しかし実態は、さまざまな制約から十分な成果を見ず、かえって水害激化地域を生むなど、地域間矛盾を増幅し、薩摩普請への憎悪すら語られる状況になった。治水神社建立に対しても、それに反対する人々がいたことも記憶されなければならない。これを直視することなくして、宝暦治水の実情あるいは流域治水の困難性とそれに挑んだ苦闘の歴史に迫ることは困難である」、こういうことで、薩摩のこの事業は、そのような程度のものだったんだという評価をしているわけであります。  これは、さらにホームページでも同じ文章を使って流れました。これは、岐阜新聞が「暴れる川」というシリーズで出しているものに、このまんま「さしたる効果もなく」という言葉を使って紹介しております。「さしたる効果もなく、反対に、ある地域によってはさらに水害は激化していくこととなる」という紹介の仕方であります。  これは、岐阜で誇りを持って、感謝をして生活されている方、そして薩摩で誇りを持って暮らしてこられた過去の方々、そして現代、交流を進めている本県にとりましてゆゆしき問題になっていく可能性を秘めた問題であります。これに対する知事の御認識を問うものであります。  そして、これに対しては、ぜひ本県としてもしっかりした検証が必要ではないかと思うところであります。少なくともこういうものに反論ができる程度の検証は、ぜひ県としてやらなければならないのではないかと思うところであります。この点についてもお伺いをいたします。  以上で一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 14 ◯知事(伊藤祐一郎君) 渋谷・鹿児島おはら祭りに関連してのお尋ねがありました。  去る五月に開催されました第八回の渋谷・鹿児島おはら祭りでは、県出身者を中心といたします五十六連、約千八百人の踊り連の皆さんと一緒に、都心の目抜き通りでおはら節やハンヤ節等を踊らさせていただいたところであります。  また、物産展や伝統芸能の披露なども行われましたほか、沿道の観客を魅了した踊り連一連に対しましては、鹿児島県知事賞として本格焼酎をプレゼントするなど、鹿児島の元気さをアピールできたものと考えております。  渋谷・鹿児島おはら祭りは、日本でも有数の繁華街で公道を独占し、東京の皆様に鹿児島の祭り、ひいては元気を披露し、また鹿児島の伝統文化や魅力的な本県の観光・物産をPRするよい機会になっていると感じたところでもあり、今後とも鹿児島を情報発信する場として活用してまいりたいと考えております。  スローライフ、スローフードについてのお尋ねがありました。  私は、近年、人々の価値観や生活スタイルが心のゆとりや心の豊かさなど、また豊かな自然を求める方向に向かいますとともに、みずからの選択で、生まれたところで一生を過ごす定住型社会や都市と地方の両方に生活基盤を持つ、いわゆる二地域居住が進展するような社会が実現していくのではないかと考えているところでもあります。  このような中で、鹿児島の日々の生活は、すぐれた自然や個性ある歴史・文化、豊かな食材など、いわゆる生活先進県として鹿児島ならではのゆとりのある生活が既に享受されておりまして、これらのすばらしい魅力あるものを素材にして、鹿児島を発展させるような取り組みを今後積極的に進めていきたいと考えております。  御指摘ございましたように、従来、鹿児島につきましては、そのイメージとして三つのSでありましたが、新たに新幹線、温泉のスパとともに、スローライフ、スローフードの四つのSを加えた七つのSを新しい鹿児島の魅力として今盛んに発信しているところでもあります。このスローライフ、スローフードは、時代の基本的なトレンドとして、これから鹿児島が発展する一つのチャンスとなるものでありまして、御指摘ございましたような多様なキャッチフレースがこれから使用されることになるんだろうと思います。  また、屋久島や奄美の手つかずの自然と触れ合うエコツーリズムでありますとか、農林水産業と連携したグリーンツーリズムなどの体験型の観光に取り組むことも必要ではないかと思います。また、奄美特有の長寿や子宝に着目いたしました「あまみ長寿・子宝プロジェクト」等をこれから活用することも、これからの鹿児島のスローライフ、スローフードを考える上で必要なことではないかと考えておりまして、このような点をにらみながら、この方向に向けて鹿児島県の振興を図ってまいりたいと考えております。  宝暦治水工事の歴史検証についてのお尋ねがありましたが、薩摩藩が行いました宝暦治水の偉業につきましては、歴史資料センター黎明館におきまして宝暦治水に関する資料の収集や研究を進めており、その成果を常設展示コーナーや「宝暦治水二百五十年薩摩義士」などの特別の企画展によりまして広く紹介をしてきているところでもあります。  御指摘のありました大学の研究者は、幕府に近い旗本高木家に残された文書をもとに、宝暦治水の全体像を学術的な見地から明らかにしようとしているものでありますが、当該文書に基づいた研究者の一つの見解でありまして、今回の見解の発表によりまして、薩摩藩士の功績をたたえる治水神社の建立、春・秋の例祭や顕彰式の開催、顕彰運動の展開など、これまでの宝暦治水や薩摩義士に対する歴史的評価はいささかも揺るぐものではないと考えているところであります。  県といたしましては、今後とも宝暦治水に関する歴史的な資料や研究論文等の収集・分析をさらに進めながら、難事業に立ち向かった先人たちの偉業と功績に対しまして、多くの人々の理解と認識が深まるように一層努めてまいりたいと考えております。 15 ◯農政部長(山田裕章君) スローフードについてでございます。  県ではこれまで、地産地消という形で新鮮で安心・安全な県産農林水産物の供給、地域の農林水産業を支え、地域の生活環境を保全する、こういった取り組みなどを進めております。また、地域の環境・文化に即した多彩な食を守り発展させるというスローフード、このことにこの地産地消という考え方がつながっていくものというふうに考えております。  これまで、親子郷土料理体験講座、地域固有の食材を活用した料理コンクールの開催等、地産地消の取り組みを推進してきているところでございますが、今後ともこれら地産地消の取り組みを推進するとともに、本県におきますスローフード運動の取り組みのあり方、運動の主体等についてさらに検討を進めて取り組んでまいりたいと考えております。    [鶴田孝雄君登壇] 16 ◯鶴田孝雄君  ありがとうございました。  この治水工事につきましては、初めて知る、あるいは見る記事でありまして、これまでは奉仕をした者と奉仕を受けた者、いわば感謝される側と感謝する側の立場でしか私は見ておりませんでした。  今回の論文は、これを加害者と被害者という立場にしてしまうものであります。しかも検証の一つに、亡くなられた方への検証まで含まってくるような書き方をしてあります。いわゆる自殺というものはほとんど信用されていない、いわゆる割腹が信用されていない、いわば野たれ死に、あるいは病死、そういうものを逆にとうとい自殺という割腹ということにしてしまっているんではないか、こういうことまで述べております。このことはゆゆしき問題であろうと思います。そういう意味からもお互いにその辺を検証していく必要があると思っているところであります。  スローフード、スローライフにつきましては、今グリーンツーリズムの話をいただきました。エコツーリズム、あるいはこれはあらゆる分野にツーリズムということで入ってこれる問題であります。そういうツーリズム運動を海浜等にも持ってこれるようにできるようでありますから、そういうものも含めて、ぜひ進めていただきたいと思うところであります。ありがとうございました。  渋谷おはら祭り、ぜひ今後生かしていただきたい。そう思います、よろしくお願いを申し上げます。  次に、薩摩藩の留学生問題について質問いたします。  鹿児島中央駅に降り立つと、桜島を背景にしてそびえ立つ若き薩摩の群像が目に飛び込んでまいります。中央駅の正面を誇らしく飾るこの群像は、鎖国制度をとっていた幕府の禁を破って薩摩がイギリスに派遣した。そして帰国後、日本の近代化に大きく貢献をしてこられた方々十九名の薩摩藩留学生を検証するモニュメントであります。  五十万都市達成を記念して、昭和五十二年に鹿児島市によって建てられたものであります。新幹線開業に伴い、中央駅のにぎわいは予想を上回るものとなっており、二年目を迎えたことしも好調であります。この六月四日には、利用客が四百万人を突破したとの記事が報道されておりました。  県外からの方々にこの鹿児島の表玄関に立つ群像はどのように映っているのでありましょうか。鹿児島イコール西郷と思っている方々が多いと思います。そして、これをごらんになった方々は、薩摩には西郷、大久保以外にこのようにすばらしい活躍をした人たちがいたのかということを改めて認識をされると思うところであります。  ところで、これら十九名の輝く功績をたたえた若き薩摩の群像でありますが、銅像は十九体はありません。十七体しかありません。皆さん御存じであったでしょうか。なぜ二名不足しているのか、これを鹿児島市に問いました。「二人、県外の方がおいででした。他藩がおいででした」という回答でした。「そうですか」、「そのことについては、ちょくちょく質問があるんですよ。で、そのことを説明しております」ということでありました。外された一人は、土佐藩出身の高見弥市であります。文久年間ゆえあって土佐を脱藩し、その後、薩摩藩士に抱えられ、優秀な成績を持つすばらしい人材であったために、薩摩藩が興こします開成所に入り、ロンドン派遣にも選ばれた人であります。帰国後も、高等中学造士館などで数学を教えていたようであります。明治二十九年、本県で五十三歳で生涯を閉じますが、その間ずっと薩摩で過ごした人であります。  もう一人は、長崎出身の堀孝之であります。堀は、日本が初めて参加したパリ万博にも薩摩藩の通訳として同行しております。留学生にも、もちろん通訳として同行をしているのであります。帰国後は、長崎において薩摩藩の船奉行見習い、これは五代もその前任者でありますが、船奉行の見習いとして重要な役割を果たしているのであります。  このように、二人は、本県にとりまして大変重要な役割を担っていたものであります。これを思うとき、県外出身であるという理由で群像から外す、こういうことがあっていいのかなという疑念がわいておるのであります。少なくともこの十九名は、ともに禁を破って命がけの留学をし、一緒にロンドンで生活をし、それぞれ帰って大変な活躍をしている人たちであります。  排他的風土、これは本県が過去に受けた余りよくない評価なのであります。しかし、この像を語られるとき「鹿児島っていうのはまだそういうところがあったのか」という大きなあかしになってしまう。そういうことになる可能性があるわけであります。これは、ゆゆしきことであろうと思います。むしろ十九名をつくって、そしてそこに十九名派遣したんです。そしてその中には他藩の出身者が二人いらしたということを紹介すべきではなかったかと、「入って来られた方々が十九名と聞いているんだが十七体ですね。何でですか」、「それは他県の方でしたから」では、何とも私は寒々しい気持ちがするんであります。  このことに対して、実は、もう一つ大事な話が風評として伝わっております。それは、あの十七体の像は、もともとは十九体で設計をされていたということをお伺いしました。任されたのは中村晋也先生です。土台から、その像まで晋也先生の作になるものです。これは鹿児島が誇れる銅像になるはずです。その中村先生がお受けになったのは、どうやら十九体で受けていらっしゃる。したがって設計も十九体でされた。土台から、大理石の。私もそれはちょっとおかしいと思って実は眺めていたんであります。  正面からおりてまいります、中央駅の。中央駅の正面からおりたところのいすには、不思議なことに、中央には人が座っていないんです。コートと羅針盤でしょうか、そういう荷物がかけてあります。ほかの三方には、ちゃんと座っていらっしゃいます。これはおかしいという気はしました。そこに一体だれかがいたはずだという思いです。  それと一番上は、二人背中合わせで立っていらっしゃいます。これは芸術家のするこっちゃないというのは私は感じておりました。背中合わせで人を立てる。少なくとも上は三体あったはずだと私は勝手に思ってます。今でも。そうすれば数字が合うんであります。上三体、一番大事なメインのところの抜けている問題。で、この風評は、意外と事実ではないかと思うのであります。十九体で設計をされていた。それを途中で十七体しか上げられないということになった。で、そういうレイアウトされた、し直されたといいますか、これは少し中村先生としてはおもしろくない話になっているんではないかと思うことでした。  今、風評と申し上げましたが事実はどうかわかりません。そういう話が漏れ伝えてきましたので、私はそのことを県の方とされても市に確認をすべきではないかと思っておりますが、何はともあれ十九体にすることを進言すべきではないか。市のやられた行為でありますけれども、これは鹿児島県の一番メインであります。顔の地に立っているわけであります。そこで、もし先ほど申し上げたような批評を受けるようであれば、これは県民としても耐えられない。このことを知事にぜひ会議といいますか、相談といいますか、お話し合いを持たれるということはいかがなものかと、できれば十九体に変えてほしいなという質問であります。  もう一つ、この留学生の問題でありますけれども、イベントが取り組まれております。当然、さきの宝暦治水も二百五十年を迎えていたわけでありますが、この薩藩のこれも百四十周年を迎えております。ぜひ、このイベントはどういう取り組みがなされたのかをお伺いしたいのであります。  次に、征韓論について質問をいたします。  これは三月に引き続いての質問となりました。それなりの理由を持ってしております。私が西郷さんの征韓論者説に疑義を唱えていることについては、その理由を三月にるる述べさせていただきましたので、今回その征韓論者ではないということの査証はここではいたしません。要は、韓国の歴史認識に関する記事が出てまいったからであります。  その記事の一つ、先般の日韓首脳会談であります。ある新聞の見出しは、「歴史で激論一時間五十分、個別課題わずか十分」と、この日韓首脳会談を紹介しておりました。そして、韓国が歴史認識問題で日本の歴史教科書にまで問題にしているということは報道されておりました。非常に歴史認識において対日感情が悪化している、そういう紹介であります。今回の会談における韓国政府の対応は大変厳しいものであったことが報じられております。  さきに、盧武鉉大統領は指宿に来てくれたわけであります。まだ目に焼きついております。あのリラックスした会談、それこそ日本と韓国は極めて親しい間柄、それを形でしっかり見せてくれる、そういうものでありました。  今回は一転しております。極めて厳しく、異例づくめの会談であったとの報道であります。ネクタイに背広はもちろんのことであります。テレビクルーに至っては入れてくれない。また、共同会見での質問はカットという内容なんであります。  そういう一連の報道の中で、特に注目した記事があります。就任して二年目の盧武鉉大統領は、この間、歴史の猛勉強を続けていたということを記して、大統領は、主導権を発揮しないと周辺大国に翻弄され、日本の植民地となった百年前の歴史を繰り返すとの危機感を強めているとの記事なのであります。そのための勉強であったようであります。  百年前、この歴史は、伊藤博文のことを言っていると思います。伊藤が実施した日韓併合のことであります。これに強い不信感を持っているというわけであります。伊藤は、おかげで韓国では「日本の三悪人」と呼ばれているわけであります。ここで西郷さんを心配するわけであります。  西郷さんに直結する問題としてとらえました。それは次の記事からもそう思わざるを得ないのであります。心配が出てまいります。四月五日の中央紙の記事であります。佐賀県有田町に建てられている韓国人陶工・李参平を顕彰する石碑に征韓の役との記事があるそうであります。これに対して韓国は、征服につながる言葉であり、韓国民に強い不快感を与えていると韓国の市民団体と福岡の韓国総領事館から強い抗議を受けて、有田町と窯業界などで組織する顕彰会では、表現を改め、建てかえることにしたとの記事であります。いわゆる征韓という言葉を変えざるを得なくなっているわけであります。いかにこの言葉が刺激しているかということを示す一つの事例であります。  もう一つあります。これは、国交正常化四十周年に当たり日韓双方で行われて発表された世論調査結果であります。この中で「相手国を信頼できるか」という問いに対し、日本は「韓国を信頼できる」と答えた人は五九%、約六〇%です。多分この数字のほとんど一〇〇%を出したのは、三十代、四十代、五十代の女性じゃないかなと思うのですが、スーパースターに対して、とてもじゃないが韓国を非常にいとおしい国になっていると思うんです。五九%の人が信頼できると答えておる中で、韓国で「日本を信頼できる」と答えた人、わずか一〇%であります。「日韓関係はよいと思うか」という問いに対して、同じような結果が出ているのであります。当然といえば当然であります。日韓関係はよいと思う人、日本では六〇%、韓国ではよいと答えた人わずか一〇%、そういう状況があるのであります。  こういう韓国とのお互いの関係を考えるときに、私たち征韓論者として西郷さんを認めてしまっていることは、これは絶対にあってはならないことである。それは間違った認識であるからであります。この日韓関係の歴史認識に対する感情を中心に悪化が心配される中において、西郷さんが主張したのは遣韓であります。丁寧な外交、心のこもった外交をすべきである、これを主張した公式文書しか残っていないんであります。あとは推測に基づいて、一緒に板垣、後藤象二郎、江藤新平そういう人たちが帰ってしまいますので、その板垣退助や江藤、後藤、こういう方々に対する思いと西郷に対する思いが一緒に重なっているようでありまして、同一視されてしまっているという状況は、これはとても認めがたいのであります。このことに対しては、私たちはあらゆる検証をしてみる必要があると思っているところなのであります。
     教育長とされては、何らかの機会をつくって、何らかの角度からこのことを検証してみる、そういうお気持ちはないのかをお伺いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 17 ◯知事(伊藤祐一郎君) 若き薩摩の群像に関連してのお尋ねがありました。  現在、黎明館におきまして、渡航百四十年記念薩摩藩英国留学生の特別展が開催されております。これを私も見たんでありますが、彼らの足跡ないしは帰国後の活躍などが大変よくわかりますし、また、いかに多彩な活躍をして多彩な人物群がいたか、そして私の記憶が正しければ、この留学生は複数にわたって派遣されていたかと思いますが、非常に多様な催しであったのがよくわかった次第でもあります。このような当時の先進国英国に向かって留学生を派遣した、この薩摩の、当時の薩摩の精神を引き継いだ国際性豊かな若い人材群が、このような式典を見ながら、このような特別展を見ながら育つことを期待しているところでもあります。  モニュメントの若き薩摩の群像につきましては、鹿児島市が人口五十万人達成記念事業の一環といたしまして、昭和五十七年に建立したものでありますが、当時学識経験者らで構成されたモニュメント建設事業推進委員会において、多分この若き薩摩の群像という名称にとらわれたのではないかと思いますが、薩摩藩出身者だけの作品にすることが決定されたと聞いているところでもあります。  なお、鹿児島市におきましては、その後、平成二年に留学生十九名全員の写真とプロフィールを紹介する説明板をモニュメントの近くのところに設置されているところでもあります。 18 ◯教育長(福元 紘君) 郷土の偉人西郷隆盛は、明治維新最大の功労者であり、明治維新の成立とそれ以後の政府による諸施策を推進した中心的な人物といたしまして、小・中・高等学校の歴史教科書で取り上げられております。その業績や人柄が相まって、児童生徒を初めとする鹿児島県民のみならず多くの人々に慕われており、私自身といたしましても鹿児島県民の一人として西郷隆盛を非常に誇りに思っているところでございます。  征韓論につきましては、西郷隆盛らによる主張として中学校と高等学校の歴史教科書の中で取り扱われておりますが、平和的な交渉を唱えた遣韓論を主張している方々がおられることも承知しておりまして、注目しているところでございます。私としましては、郷土の誇りである西郷隆盛が日韓両国で多くの人々に理解され慕われることを希望しておりますが、征韓論あるいは遣韓論については、今後の歴史専門家による史実の解明が進むことを期待いたしております。    [鶴田孝雄君登壇] 19 ◯鶴田孝雄君  御答弁いただきました。  まず、伊藤知事、モニュメントの脇に説明板が立ててあるというお話で十九名の確かに紹介があります。あれによってさらにおかしくなっています。あれがなければ十九名の疑問は意外と起こっていないのであります。ちゃんと十九名、そして特に十三歳で派遣された長沢鼎などは、見るからにこの青年だなとわかる位置に、わかるポーズで、わかる顔で、しかも写真がありますので確認ができます。  中村晋也先生に私は聞いてはおりません。聞いてはおりませんが、銅像と写真を見比べれば間違いないというのは出てきます。それは半端な先生ではありませんから、まして人の銅像、私の高尾野町にも中村晋也先生がつくられた古城江観画伯の銅像があります。まさにそっくりであります。その技術は、しかも精神性は国で高く評価された人でありますから、力量としてはとても鹿児島に並ぶ者のいる人ではありません。その方が精魂込めてつくっていらっしゃる。似てます。寺島は寺島、すぐわかります。五代は五代で写真と見て比べたらすぐわかります。  そういう中で、あれっと思うことになるわけであります。それに対する説明がないからわざわざ質問になるわけであります。そうすれば「いや、県人じゃないから」と、これはまずいんじゃないでしょうか。私は、県都に、しかもその顔と言われる中央駅にドーンと立った中に、私たちは他藩はなるべく排斥しておりますと、排他主義を貫いておりますということを今申し上げる必要は全くないのであります。それこそ平田靱負は、あの一戦交えるべし、つぶれても仕方がないという人々をどうおさめましたか。四海皆同胞という言葉を使うのであります。そして、民を救うのが武士の仕事である。こういうことで武士のまさにそれが一番大事なことなんだという大義を説いて、それに対する反論はなかったということで粛々と進める工事になるわけであります。  そういう薩摩が、一方では県外だと、これは串木野から出港するときには皆改名をします。そして、もしばれたら間違いなく打ち首なりの罪人になるわけであります。帰るどころか命を絶たれる。その覚悟をしていくんであります、二人とも、合計十九名が。そして、多くはロンドン大学に行くわけでありますけれども、このことを思うときに、帰ってきた、そして当然その力量で派遣されておりますからそれなりの活動をする、それが映像化される、銅像化される、そこに二体つぶされている。これは、あの方々も御機嫌が悪いんじゃないでしょうかね。十七名の方々も、何という薩摩かと、これはぜひ知事も力を入れて、市長とは関係がいいんですからよろしく。  教育長には、今回も見事に切られました。しかし、私は教育長と同じであります。西郷に対する思いは人一倍強いのかなと思うくらいであります。そういうことでは、次もまた早速質問を申し入れておこうかなという気もふつふつと沸き上がっているところでありますが、いずれにしましても、わざわざ御答弁を賜りありがとうございました。  以上で終わります。(拍手) 20 ◯議長(金子万寿夫君) ここで休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十九分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 21 ◯議長(金子万寿夫君) 再開いたします。  平瀬新一郎君に発言を許可いたします。    [平瀬新一郎君登壇](拍手) 22 ◯平瀬新一郎君  早速質問に入ります。  まず、未収債権対策についてお尋ねをいたします。  未収債権対策については、県では、滞納縮減対策本部を設け、債権管理マニュアルを策定し、過年度の未収債権の解消と新たな発生の未然防止、縮減に取り組んでおられるところであります。  平成十五年度末の使用料などを含めた県の未収未済総額は、県税収入を含めて約九十八億円に上っております。県財政の厳しい状況の中、県税等の自主財源の確保に向けた取り組みは重要であります。  県政刷新大綱においても、未収債権の徴収対策をさらに強化することが掲げられています。また、三位一体改革の税源移譲により、近い将来、地方が課税徴収する税金がふえるということになります。  さらに、総務省は、平成十七年度における交付税の改革で行財政改革による経費の削減や徴収率の向上など地方団体の経営努力にこたえる算定を実施。効率的な運営を促進するともしております。  そこで、県税、使用料、貸付金などの未収債権対策の成果はどのようになっているのか。また、これまでの取り組みの反省点とそれらを踏まえた今後の具体的な取り組みについてお尋ねをいたします。  次に、農業問題についてお尋ねいたします。  まず、農業の国際化の進展に対応する本県の取り組みについてであります。  我が国においては、シンガポールやメキシコとの間で関税撤廃などの自由貿易協定を核に、特定の国や地域間で幅広く経済的な結びつきを強めるための協定、いわゆる経済連携協定を発効したほか、フィリピン、マレーシアとは大筋で合意し、タイ、韓国、ASEAN全体との交渉も進行しているところであります。  国は、経済連携協定については、経済のグローバル化が進む中、WTOを中心とする多核的な自由貿易体制を補完するものとして、我が国の対外経済関係の発展及び経済利益の確保に寄与するものであり、同時に我が国及び相手国の構造改革の推進に資するものであるとしております。  経済連携協定において核となる自由貿易協定では、農産物の関税に関する取り扱いについて、生産者や農業関係団体などが特に注目しているところであります。  ことし四月から発効されたメキシコとの経済連携協定においては、豚肉や牛肉、鶏肉、オレンジなどで低関税枠を設定し、中でも牛肉、鶏肉、オレンジ等については、当初の一、二年間を市場開拓期間として、十トンの無税枠が設定されております。  このような状況の中、県としては、本県農業を守り育てるため、経済連携協定の発効後の状況や、さらに現在交渉を進めている状況などを的確に把握し、適切な対応を講じていく必要があると思うのであります。  そこで、協定を発効したメキシコからの食肉等の輸入状況はどのようになっているのか。また、現在交渉を進めている経済連携協定の状況等も踏まえ、国に対する要望や県内の対策等について、これまでの項目に加え、さらに要望、対策等を講じておく必要があると思うのでありますが、県としてどのように考え、対処されるおつもりかお答えください。  第二は、農林水産物の輸出に向けた取り組みについてであります。  政府は、去る四月二十七日、農林水産物と食品の輸出拡大を図るため、農林水産物等輸出促進全国協議会を設置いたしました。  この協議会は、全国農業協同組合中央会や日本経済団体連合会、四十七都道府県と四百二十の関係団体で構成されており、現在約三千億円ある農林水産物、食品の輸出額を今後五年間で倍増することを目標に掲げております。  協議会においては、販路の創出・拡大や輸出疎外要因の是正などの四項目を柱とした今後の活動方針に当たる輸出促進基本戦略を決定したほか、去る五月末には、五年後をにらみ行動計画づくりに着手をし、販路創出・拡大、ブランド保護、輸出指向の生産流通体制における課題を整理し、国や地方公共団体、事業者ごとの役割分担を明確にし、課題解決に向けて道筋を示すこととしており、この六月下旬の行動計画策定を目指していると聞いております。  国は、各県における農林水産物等で輸出の伸びを期待している品目がありますが、本県においては、カンパチやせん茶などについて期待を寄せているようであります。  本県の農林水産物の生産者の所得向上を図るとともに、生産者が自信と誇りを持って豊かな生活を送っていくには、安全・安心な農林水産物の生産など、国内の消費者等の要求に応じた生産を重点的に実施しながら、今後は、海外の消費地も視野に入れた生産供給体制づくりなども必要な施策になってくるのではないかと考えているところであります。  そこで、本県においては、これまでもかごしま材や養殖ブリなどの輸出促進に取り組んできておられるわけですが、全国レベルの輸出促進協議会が設立されたのを契機に、今後、農林水産物の輸出にどのように取り組んでいくのか。県の方針をお伺いいたします。  以上、第一回目の質問といたします。 23 ◯総務部長(境 勉君) 未収債権対策についてでございます。  未収債権対策につきましては、庁内に未収債権対策プロジェクトチームを設置いたしまして全庁的に取り組んでいるところでございます。収入未済額は、平成十四年、平成十五年と二年連続で前年度末より減少したところであります。  しかしながら、収入未済額は依然として高い水準にありますことから、今年度は、未収債権対策の新たな取り組みといたしまして、県税におきまして、個人県民税徴収強化の特別対策といたしまして、本年七月以降、市町村から滞納額を引き継ぎ、県が直接滞納処分を行います取り組みや県職員が市町村職員の身分をあわせ持ち、滞納処分を行う取り組みなどを実施することといたしております。  県政刷新大綱におきましても未収債権について、徴収対策を一層強化することにより、さらなる縮減を図ることとしておりますことから、今後とも未収債権の解消と新規発生の抑制に向けた取り組みをより一層強化いたしまして、歳入の確保に努めてまいりたいと考えております。 24 ◯農政部長(山田裕章君) 農業の国際化の進展についてであります。  メキシコからの輸入につきましては、経済連携協定が発効いたしました四月の実績で見ますと、豚肉が四千百七十八トンでほぼ横ばい、牛肉が米国のBSE発生の影響によりまして、五百五十八トンと昨年三月に比べても増加しております。鶏肉とオレンジは輸入実績なしとなっております。  現在、フィリピン、マレーシア、タイ、韓国等との間で、経済連携協定に向けた政府間交渉が進められておりますが、鶏肉、砂糖、でん粉など本県農業の基幹品目が俎上にのっておりますことから、交渉結果が、サツマイモや畜産物など本県農畜産物に及ぼす影響がないよう十分配慮することなどを県開発促進協議会などを通じて国に要望していきたいと考えております。  また、今後の国際化の進展にも対応しつつ、今後とも我が国の食料供給基地としての役割を担っていきますためには、諸外国との競争力強化に向けまして、規模拡大によります生産性の向上や安心・安全で高品質な農畜産物の供給による輸入品との差別化などを図りまして、本県の基幹産業であります農業の一層の振興に努めてまいりたいと考えております。  次は、農林水産物の輸出についてでございます。  お茶がEU等に、かごしま材、竹炭ボード等が韓国や中国に、ブリ、カンパチ等が北米やEUなどに輸出されており、県では、各種事業の活用等により、支援に取り組んできているところでございます。  本年度は、農業団体、農業生産法人等の関係者の理解をさらに深めていただくために、ジェトロ及び県貿易協会と共同で青果物輸出に関するセミナーを開催することといたしております。  今後とも、本県も参加いたしました農林水産物等輸出促進全国協議会を初め、県海外ビジネス支援センターや香港や上海の県駐在員の皆さんとも連携いたしまして、輸出相手国の通商制度や商慣習の把握・提供に努めながら、輸出に意欲のある企業、団体等に対しまして、国や関係機関等の施策の活用を促進してまいりたいと考えております。    [平瀬新一郎君登壇] 25 ◯平瀬新一郎君  未収債権対策については、財政状況の大変厳しい中で、県政刷新大綱に基づき、より一層の強化に努められるよう要請をいたします。  農業の国際化の問題でありますが、本県の主要な産業である畜産に大きな影響が出ることを憂慮しております。県内畜産農家が将来も意欲を持って経営できるような対策を国へ繰り返し強く要請されることをお願いいたしておきます。  農林水産物の輸出については、本県農林水産業の振興を図るため、また、他地域との競争におくれをとらないためにも、早くからこの戦略を図っていく必要があると思っております。  アジア各国で本県産物の知名度を高めるために地道な息の長い取り組みを期待をし、お願いしておきたいと思います。  次に、公共事業削減に伴う県内建設業者への対応などについてお尋ねいたします。  国の公共投資関係費は、このほど閣議決定された「骨太の方針二〇〇五」において、これまでと同様削減する方向が示されております。  国の公共投資関係費は、平成十七年度七兆五千三百十億円と、ピークでありました平成五年度より六兆円余り減額されております。  本県においても、平成十七年度の公共事業費は千五百六十二億円余りで、ピーク時の平成十年度より一千七百七十二億円、県単公共事業費は、平成十七年度三百七億円余りで、ピーク時の平成八年度より五百三十二億円と、それぞれ大幅に減額されております。  また、県の普通建設事業費は、県政刷新大綱においても今後さらに圧縮されていくことが示されております。  このような厳しい財政状況の措置は、その背景がありますけれども、本県は、梅雨による豪雨、台風などの自然災害により、毎年県民の人命、財産に甚大な被害が発生しております。県民が安心して生活できる安全な県土づくりや災害に強い交通基盤の整備などをさらに進める必要があります。  また、県勢の浮揚発展を図るためには、東九州自動車道や西回り自動車道、そして南薩縦貫道や大隅縦貫道などおくれている高速道路の整備も進めていかなければなりません。  本県におけるこれまでの公共事業の推進による成果を見てみますと、地域経済の活性化に大きく寄与しており、例えば高速道路の開通により、農畜産物の効率的な輸送、九州新幹線の一部開業による好調な鹿児島の観光、土地改良事業で整備された圃場で生産されるかごしま茶の人気など、さまざまな面で見られるところであります。  しかし、本県の持っている力をさらに伸ばすためには、まだまだ産業基盤の整備が必要であります。  一方、全国的にも本県のように公共事業を必要としている地域は数多くあると思うのであります。国の公共事業費については、防災対策の推進、地方の高速交通道の整備など全国的な観点、また、観光、また、現在停滞していると言われている地域経済の活性化を図る観点からも、今後これ以上削減していく状況ではないと考えます。  そこで、知事は、国の削減計画をどのように考え、公共事業予算の確保について国にどのように要望していかれるのか。また、今後の本県の社会資本整備をどのように進めるのかお聞かせください。  また、民間の信用調査会社の調査によりますと、平成十六年の県内の倒産件数の全体は減少しております。しかしながら、倒産件数の中で建設業の占める割合は高まってきております。中でも公共事業のウエートが高い公共土木関連事業者が半数近くを占め、予算の削減が響いていると思われます。今後も県内の建設業者にとっては厳しい状況が続くと思うのであります。  県では、厳しい経営環境に置かれている県内建設業者の経営安定を図るため、公共事業の発注に当たっては、県内企業への優先的な発注に配慮し、可能な限り分離・分割発注を行うなど、県内建設業者の受注機会の確保に努めてきているところであります。  しかしながら、県内の業者に発注しても、杭打ち等の内部工事など県内の業者でも十分対応できるにもかかわらず、県外企業に依頼する地元企業など地元企業の優先発注の趣旨が末端まで徹底されていないように思われます。  私は、資材も含めて、公共事業に関する業務は、県内の企業を優先して活用すべきであると思っております。  そこで、県内にある下請業者も含めた県内業者の受注機会を確保するため、県は具体的にどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。  次に、鹿児島港本港区ウォーターフロント開発についてお尋ねいたします。  九州新幹線が昨年三月開業し、一年余り経過いたしました。この間、鹿児島中央駅においては、アミュプラザが昨年九月に、本年四月には本港区のウォーターフロントにおいてドルフィンポートが開業し、鹿児島市の中心部における鹿児島中央駅、天文館、本港区のウォーターフロントの三つの核の形成が進みつつあります。  九州新幹線「つばめ」の利用者も六月初めに四百万人を超え、また、ドルフィンポートも開業一カ月で予想を大きく上回る四十五万人の来場者があるなど、鹿児島のにぎわいが増してきております。  また、市営バスの延伸や民間三社による共同バスの運行等により、この三つの核の連結性、回遊性が向上し、鹿児島中央駅から天文館、さらに本港区へ至る軸は、多くの県民や観光客でにぎわっているところであります。  本県においては、これまで鹿児島港本港区のウォーターフロント開発基本計画を策定後、「躍動と南のロマンあふれる港鹿児島の創造」を開発のコンセプトとして、北埠頭、南埠頭及びウォーターフロントパーク等の整備に取り組んでまいりました。  また、民間活力を導入したドルフィンポートやNHK鹿児島支局の新放送会館の着工などにより、本港区ウォーターフロント地区に新しい憩いとにぎわいの空間づくりが大きく進んできているところであります。  この活気をさらに呼び起こし、さらなる活性化につなげる取り組みが必要と考えます。言うまでもなく本港区は、桜島や錦江湾のすばらしい景観に加え、南へ広がる海の結節点でもあり、これらの特性を生かした本港区のウォーターフロントの開発は、この三つの核の連結を図る上でより一層重要になると考えます。  そこで、鹿児島港本港区ウォーターフロントの開発について、今後どのような取り組みを行うのかお聞かせください。  次に、次世代育成支援対策についてお尋ねいたします。  我が国における年間出生率は、昭和五十年には二百万人を割り込んでから減少し続けております。先ごろ厚生労働省から発表された平成十六年人口動態統計によりますと、一人の女性が生涯に産む子供の数は一・二九となり、四年連続で過去最低を更新しております。  出生数から死亡数を差し引いた自然増加数も初めて十万人を割り込み、いよいよ人口が減る社会が目前に迫ってきているわけであります。  このまま少子化が進行しますと、労働人口の減少を通じ、経済成長が鈍化する要因となるほか、年金制度についても、若年層が想定以上に減少しますと、給付水準を保つために保険料や給付年齢の引き上げなど社会保障の土台が揺るぎかねない状況になると思うのであります。  このような状況を踏まえ、厚生労働省においては、少子化社会対策大綱を具体化した実施計画に当たる「子ども・子育て応援プラン」を昨年十二月に策定いたしました。  一方、本県においても、平成十五年七月に制定された次世代育成支援対策推進法に基づき、本年三月に次世代育成支援行動計画である「かごしま子ども未来プラン」を策定し、本年度から具体的に次世代育成支援対策を進めることとしております。  これまでの「鹿児島のびのび子どもプラン」では、保育支援中心でありましたが、これに加えて家庭や地域での子育てや男女の働き方の見直し、企業などの取り組み促進などについても盛り込まれております。  「かごしま子ども未来プラン」の本県独特の取り組みについては、我が党の代表質問で答弁いただいたところでありますが、着実に計画を推進するためには、財源の確保が必要であると考えます。  そこで、第一点は、国の三位一体改革に関連して、各市町村における次世代育成支援対策の推進を図るには、従来の児童福祉関連補助金を再編・整理し、平成十七年度から新たに創出された次世代育成支援対策ソフト交付金とはどういうものかお伺いをいたします。  第二点は、次世代育成支援対策に関連して、本年四月鹿屋市に設置された大隅児童相談所についてであります。昭和二十三年七月に設置された鹿屋児童相談所は、昭和三十一年六月に廃止されて以来、大隅半島の住民は鹿児島市まで出向かねばならず、非常に不便を感じております。  このたび、約五十年ぶりに大隅半島に児童相談所を設置していただいたことは、知事の英断に敬意を表するとともに、大隅半島から選出されている議員の一人として、心から歓迎するものであります。  そこで、開所したばかりではありますが、これまでの大隅児童相談所の相談状況、また、相談業務の一翼を担うことになった市町村との連携状況についてお聞かせください。
       [知事伊藤祐一郎君登壇] 26 ◯知事(伊藤祐一郎君) 公共事業削減に伴う県内建設業者への対応等についてのお尋ねがございました。  国の公共投資につきましては、これまで平成十四年一月の改革と展望に基づきまして、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安にして、重点化・効率化の取り組みがなされてきているところであります。  このほど閣議決定されました「骨太の方針二〇〇五」におきましては、その目安はおおむね達成されつつあるが、平成十八年度予算におきましても、目標の達成に向けてのこうした取り組みを引き続き着実に推進することとされているところであります。  このような中で、本県におきましては、地方分権の進展に伴って激化してまいります地域間競争に勝ち抜き、「力みなぎる・かごしま」を構築するためには、県土をつなぐ陸海空の交通ネットワークの構築、また、集中豪雨、台風などから、県民の生活と暮らしを守る安全な郷土づくりを推進し、おくれている社会資本の整備に重点的に取り組む必要があると考えているところであります。  県といたしましては、大変厳しい財政状況でありますが、本県への影響を的確に把握しながら、社会資本整備に係る財源が確保できますよう、開発促進協議会などを通じまして要望してまいりたいと考えております。 27 ◯土木部長(加藤憲一君) 県内建設業者の受注機会の確保についてでございますが、公共事業の発注に当たりましては、これまでも県内企業への優先的な発注に配慮し、可能な限りの分離・分割発注を行っているところでございます。  また、平成十六年度からは、下請工事における県内建設業者の優先活用や公共事業における県産資材の優先使用について特記仕様書に明記するなど、県内企業の受注機会の確保に努めてきたところでございます。  さらに、東九州自動車道や南九州西回り自動車道などの直轄事業などにつきましても、県内企業の積極的活用が図られるよう、県議会と一体となりまして、本年二月に国や関係機関に対しまして要請を行ったところでございます。  県としましては、今後とも県産資材の優先使用を図るとともに、県内企業の受注機会の確保に努めてまいりたいと考えております。  鹿児島港本港区ウォーターフロントにつきましては、本年四月に民間活力を導入して開業いたしましたドルフィンポートを中心に、ウォーターフロントパークや水族館及び先月就航をいたしました観光遊覧船などが相互に補完をし合ってにぎわいと憩いの空間づくりが進んでいるところでございます。  さらに、県民に親しみやすく開かれたNHK鹿児島新放送会館が十八年度中にオープン予定となっております。県といたしましては、今後、南ゾーンで高速船ターミナルを整備いたしますとともに、市やNPOと一体となって、桜島や錦江湾などの豊かな自然景観と調和したウォーターフロントの創造を図り、鹿児島港本港区が鹿児島市の中心街の天文館地区や陸の玄関口である中央駅地区と相互に連携をいたしまして、南九州の海の玄関口として発展できるよう努めてまいりたいと考えております。 28 ◯保健福祉部長(千村 浩君) 次世代育成支援対策ソフト交付金についてでございます。  次世代育成支援対策交付金、いわゆるソフト交付金は、従来、各事業ごとに実施されていた個別の補助事業が統合されたもので、事業ごとに交付されるものではなく、市町村行動計画をもとに市町村が策定する毎年度の事業計画を、国において一定の算定基準に基づきポイントで評価し、その総合ポイントで交付額を決定し、国が直接市町村に交付するものでございます。  交付金は、事業計画の範囲内であれば、従来の補助単価にかかわらず、各事業者への交付額や各事業への配分を市町村独自の判断で決定することができるなど、市町村の裁量による柔軟な執行が可能になっております。  県といたしましては、各市町村がこの交付金制度を有効に活用し、それぞれが策定した行動計画に基づき、効果的な次世代育成支援が図られるよう促進してまいりたいと考えております。  次に、大隅児童相談所についてでございます。  大隅児童相談所の相談状況につきましては、本年五月末現在で、児童相談件数が百十九件、うち児童虐待の通告件数が十件、認定件数が五件と、昨年同時期と比べますといずれも増加をしております。  これは、児童相談所が身近に設置されたことで利便性の向上が図られ、従来よりも相談しやすくなった結果ではないかと考えております。  また、市町村との連携につきましては、市町村の児童相談業務が円滑に進むよう、日ごろから電話等による助言や同行訪問、合同ケース検討会議を実施するなど、後方支援に努めているところでございます。  県といたしましては、今後、大隅児童相談所が大隅地域の方々にとって、より身近で訪れやすい相談所となるよう努めてまいりたいと考えております。    [平瀬新一郎君登壇] 29 ◯平瀬新一郎君  鹿児島港本港区のウォーターフロント開発については、にぎわいをさらに高めるとともに、本港区の活性化につながる前向きの取り組みをお願いしておきたいと思います。  公共事業の発注に当たりましては、公共事業が大幅に削減される中で、県内企業を優先する必要がますます大きくなってきております。これまで以上の細やかな配慮を要請いたしておきます。  児童虐待などの相談が増加している中で、法改正により、市町村にもその業務が拡大されたことは、虐待予防対策の強化などが期待され、意義のあることであると思います。  制度がスタートしたばかりであり、市町村の取り組みが円滑に進むよう、県の支援と県みずからの体制の機能強化を要請しておきたいと思います。  次に、この機会に国際交流について私の希望を申し述べておきたいと思います。  本県では、南に開かれているという地理的特性から、アジアを中心とした世界に広がる南の交流拠点の形成を目指しているところでもあります。二十一世紀新かごしま総合計画においても、共生ネットワークで築く心豊かで活力あふれる鹿児島の実現を目指す目標の一つとして、「アジア地域を初めとする世界各地と相互の理解と協調のもとにさまざまな交流が進められ、我が国の南の拠点として、人、物、情報などが行き交う交流連携で、伸び行く魅力あふれる南の拠点かごしまを目指す」としているところでもあります。  このような方針のもとに県によるさまざまな取り組みがなされ、これまでアメリカのジョージア州との姉妹交流、香港、シンガポール、韓国全羅北道との定期交流会議の開催、中国江蘇省との交流協議会の開催などを通じて、多様な交流が進められてきております。  また、マレーシア、ベトナム、タイとは、青少年国際協力体験事業による中・高生の派遣や商談会の開催、技術研修員の受け入れなどが行われております。  このほか、インドネシアなどから技術研修員も受け入れているほか、各種の交流事業が行われております。  中でも香港との間では、鹿児島香港交流会議が、昭和五十五年からこれまでに十四回開催されるとともに、経済、観光、文化、スポーツ、青少年女性等の幅広い交流が続いております。  シンガポールとの間におきましても、鹿児島シンガポール交流会議が、昭和五十七年以来十二回開催され、観光展などの関連イベントが開催されております。  また、韓国全羅北道との間では、平成六年以来六回の交流会議が開催され、公務員の研修受け入れ、派遣などの交流が行われております。  さらに、中国江蘇省との間では、平成十年以来、交流協議会が七回開催され、青少年やスポーツの交流、国際交流員の配置などが実施されています。  このような県による国際交流事業とあわせて、県内の市町村でも平成十七年四月現在、二十市町が九カ国二十三地域と姉妹友好盟約を結び、さまざまな交流が行われています。  一方、民間においてもさまざまな交流に取り組んでおります。県国際交流協会では、在住外国人との交流イベントや留学生に対する支援、青少年の海外派遣など地域の国際化を推進するためのさまざまな活動を行っております。  また、カラモジアは、外国人留学生を農漁村の民家に受け入れ、地域住民との交流を深めるカラモジア交流も実施しております。昭和五十七年からこれまでに七十二カ国、約三千七百名の留学生が参加しているわけであります。  これは、アジアの農村との交流、協力を進める一方、カラモジア交流などがさまざまな展開を見せ、農村の地域おこし、国際化に取り組むユニークな草の根の交流として全国的にも注目されてきている活動であります。  昨年十二月、指宿市で日韓首脳会談が開催されました。これを機に韓国との産業、観光、文化など幅広い分野で交流親善を促進するため、県内の経済団体が鹿児島日韓親善協会を設立しております。  また、日中友好を全国的に促進するため、県内の民間や経済団体、大学などで「県日中友好協会」が、この十六日に発足しております。  以上申し上げましたように、本県では、アジア地域を中心にさまざまな分野で交流が推進されております。これからは、グローバル化の急速な進展の中、我が国と経済の成長著しいアジア諸国との交流は、飛躍的に拡大すると思うのであります。  特に憂慮されております日韓関係、日中関係、この中にあって、地理的に有利であります本県が、草の根の交流をすることにおいて、従来にも増して国際交流の効果を鹿児島の活性化につなげていけたらなと思っているところでもあります。  また、相互に文化、歴史を理解し、友好を深めるための交流や本県の経済を活性化する上での経済関係者による元気なアジア地域との交流など、民間の交流も積極的に拡大していただくよう強く要請をしておきたいと思います。  最後に、本県の市町村合併の進捗状況は、全体としてまだ不十分であると言われている中で、大隅地方南部におきましては、比較的順調に進んでいると思っております。  去る三月二十二日には、旧大根占、田代、両町が合併し、錦江町が発足いたしました。  また、三月三十一日には、旧根占町と佐多町が合併し、南大隅町が発足いたしました。  来る七月一日には、高山町と内之浦町が合併し、肝付町が発足することになっております。このうち南部二町におきましては、それぞれ自立でき、全国に誇れるまちづくりを目指して、町民一体となって取り組んでいるところでもあります。  しかしながら、両町とも過疎が著しく進行している地域で、合併後も厳しい財政運営を迫られると思っております。  県が目指している人口十万人程度の地域中核都市の形成も大変大事なことではありますが、県内各地間のバランスのとれた発展のためにも、半島や離島など条件の厳しい中で合併した新しい町に対して、これまで以上のさまざまな支援が必要ではないかと思うのであります。  厳しい財政状況の中ではありますが、不利な条件にある地域に対して、なお一層の県の光をあてていただくよう強くお願いをして、質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。(拍手) 30 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、岩下吉廣君に発言を許可いたします。    [岩下吉廣君登壇](拍手) 31 ◯岩下吉廣君  十六番目、一般質問の最後の質問となりました。岩下でございます。大変お疲れとは思いますが一時間おつき合いをいただきます。  当選以来、間もなく一年となります。大トリでの出番は、ベテランの先輩議員の後で役不足ではございますけれども、お許しをいただきたいと思います。  この一年の間に、知事も、出納長も、議長も、副議長も新たな顔ぶれとなりました。鹿児島県政が難局を乗り切るための県政の両輪として、御活躍されますよう期待をするところであります。  私の方は、「先生」と呼ばれて思わず振り返ってしまいまして、赤面している昨今でございますが、「先生」という言葉でまず念頭に浮かぶのは、学校の先生であります。鹿児島県にはおよそ一万七千人の小・中・高の先生がいらっしゃいます。  この五月末にことし新設されました薩摩中央高校、鶴翔高校に行って参りました。両校の校長先生初めすべての教職員の皆様から、新しい学校のすばらしい伝統を、自分たちの手で築こうという熱意が伝わってまいりまして、とても感動を覚えました。そして、二年生になってから四つのコースに分かれる鶴翔高校の総合学科、薩摩中央高校の総合選択制は、生徒の多様な進路に対応できる試みとして期待を申し上げているところであります。  ところがメディアには、学力低下、いじめ、不登校、問題教師等々の文字ばかりが踊っています。少子化の問題と絡めて考えてみますと、子供はどんどん減って少ししかいないのに、その子供たちは学力の低い無気力な人間が多くなってきたということになります。かつて世界トップレベルを誇った学力は、今や世界十四位に落ちました。また、知育、体育、徳育と言われますが、体格はよくなったが、体力は落ちたとか、青少年の殺人・傷害事件などの短絡的な行動、マナーの乱れなど、徳育の方も赤信号が出ている状態であります。この先、我が国は一体どうなってしまうのか不安を抱くのは私だけではありません。  ゆとり教育で子供たちの心の豊かさが醸成されたというのであれば、少々の学力低下は、今の少子社会ではそれほど問題にされないかもしれませんが、心も知力も落ちてきたということでは、まさしく「落日の日本」が現実味を帯びてまいります。  私は、団塊の世代であります。まさしく経済的な豊かさを求めて勉強したと言っても過言ではありません。それがすべてということではないにしても、それこそいい大学に入って、いい会社に就職することが当時の子供たちの、また、親たちの勉強することの大きな目的の一つでありました。ところが、国民の六割以上が心の豊かさを求めて生きており、生き方が多様化している今日、子供たちの「何のために勉強するの」という素朴な疑問に親たちは、「将来お前のためになるのだから勉強しろ」と答えるのが精いっぱいであります。教育長は、子供たちのこの素朴な疑問に何とお答えになるでしょうか。  さて、質問に入ります。  ふるさとを担う人づくりを目指して、今年度から三十人学級がスタートしております。一人一人に目が行き届いた教育を目指しているわけですが、学校教育の成否は、子供の人数が大きな要因であるとはいえ、児童生徒の教育に直接携わる先生の力量によるところが極めて大きいと言われております。いかに優秀な教職員を確保するか、このことが本県の将来の人づくりを左右すると申しても過言ではないと思います。  そこで、本県では、新任の先生方に初任者研修、ステップアップ研修、パワーアップ研修など、優秀な指導者を育成すべくさまざまな研修を行っておられるところであります。そこで、その研修の状況と成果をお尋ねいたします。  さらに、間もなくいたしますと、四十日にわたる夏休みに入ります。この子供たちが夏休みの間の先生たちの過ごし方には、いろいろと批判もあるところでありますが、この夏休み中の勤務状況、また、研修への取り組みぐあいはどのような実態なのかお示しください。  さて、本県では、ことし二月八日に教職員の評価に関する中間報告を発表されました。この件に関しましては、代表質問でも、一般質問でも既に質問のあったところであります。本県の教職員評価は、昭和三十三年からいわゆる勤務評定として四十六年間にわたり行われてまいりました。校長が九月一日に、一年間をA、B、Cの三段階絶対評価で評定することになっておりました。ところが、この勤務評定では、実際の問題教師や指導力不足等教員はほとんど表に出てきませんでした。この勤務評定と教員の審査委員会の実態把握との乖離が、問題点を未然に発見して教育現場でのトラブルを防止する機能を果たさなかったわけであります。  今回の中間報告では、教職員が意欲を高め、みずから資質能力の向上を図り、評価結果が能力開発や処遇などに適切に生かされる新たな評価システムについて検討したとあります。この中間報告を受け、今回試行される教職員評価システムの最大の目的は、個々の教職員の資質能力の向上を図るということであります。  そこで、これまでの評価システムの問題点は何だったのか。二番目に、今回試行の評価システムがこれまでのものと一番変わった点はどこか。三番目に、客観的評価を行うために導入されたのはどんな方法なのか。さらに、その結果を能力開発や処遇に生かす方法としてどんなことを考えているか。そして、その結果を個人名は伏せるとしても公表することを考えているのかお示しください。  一方で、県教委では、教職員の評価システムとは別に学校の評価システムの確立にも取り組んでいらっしゃいます。学校をめぐる状況が大きく変化している中、特色ある学校づくりを行うため、その前提として、学校における教育活動の現状を評価することが必要とされています。  そこで、学校評価の評価者はだれなのか。外部評価が行われているがその実施率はどれぐらいか。評価によって浮き彫りとされた問題点にはどのように取り組んできたか。この評価結果は、どのような形で公表されてきたかお示しください。  以上、一回目の質問といたします。 32 ◯教育長(福元 紘君) 教員の研修につきましては、新規採用者には初任者研修、五年を経過した教員にはステップアップ研修、十年を経過した教員にはパワーアップ研修等、経験年次に応じまして、学習指導や生徒指導など教員の資質を高める研修を実施しております。  まず、初任者研修では、教員としての使命感と実践的指導力の育成、ステップアップ研修では、専門に関する知識や技能の習得と指導力の向上、パワーアップ研修では、中堅教員としての資質と実践的指導力の向上を目指しております。  研修の受講者からは、みずからの授業内容を省みて、教科の指導力の大切さを改めて認識した。課題を解決するための対策、工夫を考えていくことができた。研修を通して視野が広がったなど研修の成果を実感している感想が多数寄せられております。  夏季休業中の勤務の状況につきましては、夏季休業中といえども教員は勤務することが基本でございます。教材研究や指導案の作成、校内研修、児童生徒等を対象にした教育相談、部活動指導、さらには、校区内での補導活動などを行っております。また、教員は、教育公務員特例法に基づきまして、授業に支障のない限り、校長の承認を受けて勤務場所を離れて研修を行うことが認められております。このため、各教員は、校内での勤務に加えまして、県内外で開催される研究会や講座等に参加したり、総合教育センターでの自主研修制度を活用したりしまして、自己の課題解決に取り組み、みずからの資質向上を図っております。  なお、県教委では、長期休業期間中などに勤務場所を離れて行う研修が適正になされるよう、関係規程を整備し、すべての教員に具体的な研修計画書・報告書を提出させますとともに、校長は、教員の研修状況を把握するよう義務づけております。  県教委としましては、今後とも夏季休業中の研修が県民の信頼にこたえられる適切な研修になるよう指導してまいりたいと考えております。  教職員の評価システムでございますが、現行の勤務評定は、勤務実績に重点を置いているため、評価方法において意欲や能力等について十分に評価しにくい面があったこと。また、評価結果の活用の仕方において、被評価者に知らせないため、自己の特性や課題等について十分認識できず、資質能力の向上につながっていなかったこと。さらに、評定結果が処遇等に生かされていないため、士気の高揚等を図れないこと等の問題点があり、新たな評価システムを確立する必要がございました。  今回の評価システムの一番の変更点は、教職員一人一人が、学校経営方針等を踏まえまして、設定した目標等について、校長等の面談による指導・助言により、指導力等の向上を目指す自己申告による評価と校長等の評価者が個々の教職員の意欲や能力、実績等について適正な評価を行い、その結果を能力開発や処遇等に適切に生かす業績等評価、この二つの評価から構成されていることでございます。  評価の客観性を確保するため、この評価システムは、評価者を複数にしまして多面的に評価すること。個々の教職員の勤務状況の具体的かつ継続的な観察に努めること。面談等を通しまして、教職員の取り組みやその成果等を聞き取ること等に留意したシステムとなっております。評価結果の能力開発、処遇への活用のあり方につきましては、今後、調査研究委員会におきまして、現在実施中の試行結果を踏まえて審議していただきまして、その最終報告に基づきまして具体的に検討していくこととしています。  この評価システムは、評価者が被評価者と面談等を通して指導助言を行い、被評価者の資質能力の向上を図るシステムであることから、評価結果を本人に知らせることについては有効なものと考えておりますが、評価結果を外部に公表することについては課題も多いと考えておりまして、今後調査研究委員会でも審議していただきたいと考えております。  学校評価は、学校が組織体としての機能をどの程度果たしているかを評価し、学校の運営や教育活動等の改善を行うために重要でございます。  県教委としましては、これまでも各学校における学校評価が積極的に実施されるよう指導してきたところでありますが、平成十七年の三月には、改めて学校評価システムの手引を作成し、すべての学校に配付したところでございます。  学校評価の評価者は、自己評価の場合には学校の教職員、外部評価の場合には、保護者や児童生徒、学校評議員や地域住民等であり、各学校は、実情に応じた学校評価を工夫いたしております。外部評価を取り入れた学校評価の実施率は、平成十五年度は小学校が五四・五%、中学校が四八・七%となっており、実施率は前年度よりも増加しております。  評価結果につきましては、PTA総会等の会合で直接説明するほか、学校だよりなどの配布物やホームページへの掲載等、学校や地域の実態に応じた公表を行っております。各学校においては、学校評価によって明らかになった問題点について、次年度の教育課程の編成など学校運営の改善、充実に役立てているところでございます。  今後とも学校評価の取り組みが広がり、その内容が一層充実するよう支援してまいりたいと考えております。    [岩下吉廣君登壇] 33 ◯岩下吉廣君  それぞれ御答弁いただきました。  今、学校の管理者は大変なんですね。一昔前までは、学校で起こる問題はある程度予測、理解ができる問題だったと言われています。今は、いつ、先生も含めて、だれがどんな問題を起こすかわからない。しかも何かあるとすぐ父兄が出てきまして、校長先生や教頭先生は、中にはびくびくされている方もいらっしゃいます。  それはそれとして、夏休みの勤務でありますが、一番世間に目立つのが、勤務場所を離れた研修なのでありまして、どうぞ今教育長の御答弁いただきましたような報告も、実際の研修も含めた確実な夏休みの勤務が行われますようさらなる徹底をお願いをいたします。  教職員の研修も、教職員の評価システムも、学校の評価システムも、いずれも教職員の能力向上を目指して、また、地域住民にわかりやすい学校づくりを目指すものであって大変すばらしい試みだと思っておりますが、ただ、評価の観点や基準が不明瞭であることや、評価項目がマンネリ化して形式的になっていることや、具体的な改善策の検討が余り十分でないということなど、県教委みずから指摘されている点でありますが、さらに、教職員の評価と学校評価の最大の相違点は外部評価の有無であります。  私は以前、PTA会長とか学校の評議員とか務めさせていただきましたが、現在でもいろいろな声が聞こえてまいります。PTAに加入していない先生、地域の会合なんか関係ないからと言って自治会に加入しない先生、学校であったことは家庭では話すなと指導する先生などなどほかにも多くのクレームが入ってまいります。そういう生の声までくみ取れる評価システムにしてもらいたいのであります。  私の知っている某私立高校では、生徒にも先生の評価に参加させています。生徒に厳しい先生が低い点数がついて、甘い先生が高得点をとるかというと決してそうではなくて、生徒たちの適切な評価や職員室ではわからない意外な評価に驚くことが多いと聞きました。結局、先生と一番長く接して、一番よくわかるのも生徒にほかならないからであります。  学校評価でも外部評価の実施率は半分に満たないのでありますが、来年本格実施とされる教職員の評価にもぜひ外部評価が、いろいろ問題はあるとは思いますが、導入されることを要望をいたします。  人が人を評価できるかという問題がありまして、本議会でもいろいろな御意見が出たところであります。教育の場での評価が民間企業や一般の職場と絶対的に違うところは、その恩恵を受けるのも、被害をこうむるのも子供たちであるという点でありまして、しかも新人の先生へも、ベテランの先生へも生徒は同じ要求をするわけでありまして、この評価システムは子供たちをはぐくみ、守るために役に立つものでなければならないという点であります。子供の方からは先生を選べない、この先生は悪いからかえてと言えない点であります。  そして、怖いのは、子供たちは先生の言うことは正しいと思うことでありまして、中国の反日運動が反日教育の結果であると言われることを考えても、幼児期からの人を愛する心、国を愛する心、郷土を誇りに思う心の教育や正しい歴史認識等の教育も含めて、この二つの評価システムが有効に機能するよう御努力いただきますようお願いを申し上げます。  次の質問に入ります。  県労働政策課の発行する「労働かごしま」という新聞があります。そのトピックスに、来る七月七日、商工観光労働部長、鹿児島労働局長、教育長が、経済五団体の事務局を訪問されて、高校生を初めとする新規学卒者の採用枠拡大への協力を求めた要請書を出されるという記事が載っておりました。御尽力に心から敬意を表するところであります。  一方、県は、一連の行財政改革の中で、職員定数の見直しに取り組むとされておりまして、その職員数削減に当たり、国が三月中に策定する新たな地方行革指針で、各地方公共団体に対して定員適正化計画の策定を求める方針であるので、国の具体的な指針が示された段階で、その内容を踏まえて適切に対応してまいりたいとの総務部長のお答えでありました。
     ちなみに削減に関しますと、知事部局に関しましては本年の削減予定数は八十名であります。そして、職員の採用数は平成十五年百三十九名、平成十六年百九名、平成十七年四十三名と大幅に減らしてこられたところであります。職員の退職予定者数は先日の川上議員の質問で明らかになっておりまして、十九年から二十一年にかけて知事部局六百七十三名、教育委員会約千二百名、県警四百十四名とされました。  そこで、質問をいたします。  それぞれの部局の平成十六年度中の勧奨退職者数、平成十七年四月一日現在の再任用者数、この数字は先日新聞で報道されましたけれども、確認のためにもう一度お示しください。  再任用者の任用期間、同じくその給与体系、支給される手当、来年度からの再任用予定者数、もっともこの数字は職員の希望によるものだそうでありますから、予定される推定数で結構であります。  六番目、高齢者雇用安定法と県の再任用制度との関連。  以上、お示しください。第二回目の質問といたします。 34 ◯総務部長(境 勉君) 知事部局におけます平成十六年度の勧奨退職者は百一名でございまして、平成十七年四月一日現在の再任用職員は三十五名、うち期間更新者が十五名おります。  再任用者の任用期間や給与体系についてでございますが、他の任命権者とも共通の制度でございまして、任用期間につきましては、平成十七年度に新たに再任用した者は二年、平成十八年、十九年度に新たに再任用する者が三年、平成二十年、二十一年度に新たに再任用する者が四年、平成二十二年度以降新たに再任用する者が五年の範囲内で更新が可能となっております。  また、再任用職員の給料につきましては、職種によって異なっておりますが、行政職について申し上げますと、現在二十六万九千円となっておりまして、このほか通勤手当、超過勤務手当、期末・勤勉手当など業務に関連する手当を支給いたしております。来年度以降の再任用者数につきましては、再任用に当たっては、職員の希望等も勘案するものであることなどから、具体的な人数を推計することは現時点では困難でございます。  高年齢者等の雇用の安定等に関する法律との関係でございますが、この法律におきましては、民間の事業主に対しまして、定年後も引き続き雇用する継続雇用制度の導入など六十五歳までの安定した雇用の確保を図るために必要な措置を講ずるよう努力義務を課しているところでございますが、地方公務員については適用除外とされております。しかしながら、雇用と年金の連携の確保を図ることなどから、国と地方公共団体に共通の制度といたしまして、再任用制度が地方公務員については導入をされたところであります。  県といたしましては、高齢者の活用と新規採用との調和ということにも十分留意をしながら再任用制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 35 ◯教育長(福元 紘君) 平成十六年度中の勧奨退職者数は、学校職員全体で三十六人でありますが、そのほかに定年退職者数が三百九十五人でございます。また、平成十七年度の再任用者数は百六十二人であり、その任用期間は一年間でありますが、退職者の年齢によっては更新することも可能でございます。  再任用者の給与につきましては、校種や職務ごとの給料表で月額を定めており、ちなみに小・中教諭は二十八万三百円でございまして、昇給はなく、支給される手当としましては、通勤手当、義務教育等教員特別手当、期末・勤勉手当等がございます。  今後の再任用予定数につきましては、本人の希望に基づくものでありますことなどから、現時点で予測することは困難でありますが、県教育委員会といたしましては、再任用者の活用と新規採用とのバランスを図りながら、再任用制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 36 ◯警察本部長(倉田 潤君) 県警察では、昨年度、いわゆる勧奨を受けて退職した者はおりません。  警察の再任用制度につきましては、警視の職にある警察官及び一般職員については平成十四年度から運用中であり、これまで平成十四年度に一般職員二人を再任用しているところであります。また、警部以下の職にある警察官につきましては、平成十九年度から運用開始を予定しております。  再任用期間は一年を超えない範囲内としており、勤務実績優秀者は更新をすることができるものであります。給与につきましては、行政職が五級で、その他の職員はこれに準じた職務の級に格付され、通勤手当、超過勤務手当、期末・勤勉手当等の手当が支給されるものであります。  来年度以降の再任用予定者数につきましては、現段階では把握しておりませんが、制度の趣旨を踏まえ、新規採用者との調和を図りつつ、適切に運用してまいりたいと考えております。    [岩下吉廣君登壇] 37 ◯岩下吉廣君  それぞれ御答弁いただきました。  高齢者雇用安定法が十六年十二月一日から施行されておりまして、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入の年齢は、年金支給開始年齢の引き上げに合わせて二〇一三年、平成二十五年度までに段階的に引き上げるということになっております。  一方本県には、職員の再任用に関する条例、三年八カ月前の平成十三年四月一日から施行されておりまして、この高齢者雇用安定法は、御答弁にもありましたとおり公務員には適用されないことになっておりますが、その内容はほぼ同じで、再任用の継続年齢が段階的に引き上げられる年次もほぼ同じであります。  御説明のとおり、再任用の条例では、平成十九年度から二十一年度までの継続雇用、再任用の年齢は六十三歳までとなっておりますが、三部局を話せば長くなりますので、教育委員会に例をとって話を進めさせていただきます。  例えば、十九年から二十一年の三年間に退職する約千五百名の教職員が再任用を希望したらどうなるのでしょうか。先日の新聞によりますと、二〇〇二年から二〇〇四年の有資格者は八百三十人で、そのうち二百五十一人が応募して百六十三人が採用されたとあります。仮に同じ率で応募があり採用するとすれば二百九十二人採用ということになりますが、有資格者と応募者と採用の基準はどうなっているのか、ここではお伺いいたしませんが。  ところで、十六年四月一日の教育委員会の職員数は一万六千九百三十六人でした。十七年四月一日の同じ数は一万六千七百七十七人という発表であります。十六年度のこの一年間に退職した人、先ほどの教育長の数字と若干違いますが、定年退職者三百九十七人、勧奨退職者三十六人、普通退職者百十二人、年度途中退職者二十五人、合計五百七十人であります。そして、採用した人、新規採用教員三百六十人、新規採用事務職二十九人、市町村との交流で教育委員会に帰ってきた人二十二人の合計四百十一人で、その差は百五十九人でありました。十六年の四月から十七年の四月の数字を引きますと、百五十九人でぴったりと合います。あれ、じゃあ再任用者はどこへいったんだと。  伺ってみますと、再任用者は、単年度雇用なので職員数にはカウントしないのだそうでありまして、調べてみましたら、ほかにもカウントしない職員がありました。小学校三百十人、中学校百六十人、高校百四十人、盲・聾・養護学校百四十人、計七百五十人の欠員補充教諭というのがありまして、再任用と合計いたしますと九百十二人もの在籍職員数にあらわれない職員がいらっしゃいました。  この欠員補充教諭というのは、多分いわゆる臨時職員と我々が呼んでいる方のことだろうと思うのですが、大半は二十代の若者ということでありまして、一方、新規採用者は、小学校が百六十七人、中学校百十二、高校七十五、盲・聾・養護三十三人で、合計三百八十七名ということで、小学校で十九名、前年より採用がふえているのは三十人学級六十七クラスで採用がふえたのでしょうか。中・高では二十七名の採用減でありました。少子化で子供が減っていくので教職員の数も減って教育費が減るのかと思っていましたら、どうもそうではなさそうであります。  それはさておき、私の勉強不足かもしれませんが、九百十二人もの在職の職員数にカウントされない職員がいることにびっくりいたしました。年ごとに現役の合格者が減少して採用の窓口が狭くなっていることを実感しているという大学関係者の発言は、このあたりに原因があるのではないかと推測をいたしております。  定年退職者等退職金の問題、新規採用者新規採用枠の拡大の問題と定数削減、人件費削減の問題、高齢者雇用の問題と大変複雑に絡まっているんでありますが、本年度中には組織機構の見直しを図り、定員適正化計画を策定される県当局は本当に大変だろうと思います。「将来にわたりまして活力のある組織を維持するには必要最小限の新規採用職員は確保する必要があると考えておりまして、具体的な採用者数につきましては、毎年度適切に対処してまいりたい」、総務部長の予算特別委員会でのお答えであります。  県政刷新大綱で八から一三%の人件費削減を掲げておられる中、教育委員会のカウントされない九百十二人も、知事部局の千六百人に上るという臨時職員も人件費であることは確かなことですから、他県の動向を見ながらでも結構ですから、ぜひ適切な対処をお願いいたしまして、次の質問に入ります。  日本は、成長社会から成熟社会へと着実に移行していると言えると思います。今議会でも、シンプルライフとかスローライフとかスローフードとかいう言葉がたびたび言われておりますが、こうしたイメージの社会をつくろうとしたときにクローズアップされてくるのが地域社会であります。なぜなら、自分を取り巻く自然や環境やタイムサイクルを抜きにしてはこのことを語れないからであります。  NPOとは、その意識のあらわれだと思っているのですが、このようなライフスタイルを実現するには地域社会とどうしてもかかわってくることになります。伊藤知事は、これからの地方行政は、共生・協働の仕組みをいかに取り返すかが重要な課題となり、住民の目線で行政を展開すれば協働が必ず必要となるとの考えを述べられ、行政とNPO等が対等のパートナーとして協働を進めていくことが重要とされました。  そして、今月初め新しく共生・協働の事業展開の公募を始められたところであります。この県民の変化しつつあるライフスタイルと協働の意識は、地域の自治は、自分たちの手で運営する、行政でよくお使いになる自己決定・自己責任という地方自治、地方分権の原点ではなかろうかと考えています。  そこで、今回の一連の市町村合併の流れの中で、それこそ住民にとって地方自治への直接参加とも言える住民投票が各地で行われました。  私の住む姶良西部地区でも住民請求による住民投票が一度否決された後、今度は議員発議による住民投票が可決され、本年三月十八日投票が行われました。合併の是非を問う住民投票であります。多額の公金を使いまして一万八千人余り、約五二%の人が投票に行きながら開票されませんでした。この新市の名称予定、錦江市の合併協議会では、すべての協定項目の協議を終えていながらその調印さえ行われませんでした。理由は、合併の是非を問う住民投票の投票率が六〇%に満たなかったからであります。  もっともっと高いハードルをクリアした市町村もあったわけで、それぞれの市町村が条例で定めたことと言えば、それだけのことですが、投票に行くなというネガティブキャンペーンがあったことも事実でありまして、住民の意思を問うこの最も基本的な住民参加の結果が、このような条例でやみに葬られたことに知事はどのような見解を持たれたかお聞かせいただきたいと思います。また、今年度中に出されるという本県の合併推進に対する指針の中で、今回の合併劇の総括をどのように生かされるおつもりなのかお聞かせください。  さて一方で、行政の合併に伴う各種団体の合併も進んでおります。その中でも、地方の経済に深くかかわっている県下各地の商工会も大きな変化にさらされています。それでなくても国の小規模企業政策の変化や補助金削減による財政悪化など極めて厳しい運営を迫られているのが現状であります。  商工会連合会では、これらの環境変化に対応するため、市町村合併区域を基本として複数の商工会による合併対策研究会を設置いたしまして調査研究を重ねてきたことは御存じのとおりであります。こうした地区におきましては、合併市町村との整合性や事務の効率化やスケールメリットを生かした事業の展開など一定の効果が期待される一方、合併の規模や時期に格差があること。合併しない商工会があること。さらに、力量が基本的に違う商工会議所との混同視されることによる補助金の大幅カット、さらには相互の商工会費の格差是正を行おうとしたときに生じる会員の大幅減少予想などさまざまな問題が噴出しております。  商工会は、国や県の補助金により運営費用の半分以上を賄っております。もともと商工会は、小規模企業政策を県や市町村の代替補完役として行っていると言っても過言ではないと思っておりますが、その適切な運営によって確実な成果が得られる体制をもう一度整備する必要に迫られています。  そこで、行政が合併したところも、そうでないところも、小規模事業者数や経済圏、生活圏を考慮して県下を十地区に分けた広域指導体制を来年四月からスタートさせることにいたしました。ところが、そこに配置する職員数に苦慮いたしております。経営指導員設置基準どおりの定数で配置いたしますと、指導員が激減して商工会の合併に支障を来すことはもちろん、現実の経営指導にも大きな障害が生じることになりそうであります。  例えば、ことし十一月七日に合併する霧島市、現在九名の経営指導員がおります。これが合併いたしますと、四名しか配置できなくなりまして、一人の指導員も置けなくなる旧町の支所が生じる事態が予測されます。  どの地域でも似たような状況になるのでありますが、昨年九月議会での原田商工観光労働部長の答弁では、「県としては、合併に伴う経営指導員の定数について、激変緩和のための経過措置を設けているところでございまして、同委員会の議論や今後の市町村合併の動向、地域の実情を踏まえながら適切に対処してまいります」との答弁をいただいているところであります。  そこで、一定の方向性が出され、合併の動向も大方定まった現在、どのような適正な対処をお考えいただくのか具体的にお示しいただきたいと思います。  今年度より、第四期の鹿児島湾ブルー計画がスタートいたしました。湾内ではアマモが少し復活してきたとの報道もされる中、錦江湾の地形構造上、海水の交換性が低いためか湾奥ではCOD値が基準値を若干上回るなどより一層のきれいな錦江湾を取り戻す努力と施策が望まれております。  鹿児島湾では、ブリ、カンパチなど養殖による漁業は脚光を浴びておりますが、一方で、天然の水産資源の減少が懸念されているところであります。水産資源を人為的に回復・維持するための栽培漁業への取り組みもここ二十年行われてまいりましたが、マダイ、ヒラメの放流を初め、湾奥のアサリの放流などは水質汚染のせいだと言われておりますが、なかなか思わしい成果を得られていないところであります。  鹿児島湾がきれいであり、多くの水産資源の宝庫であることが、漁業者にとっても、県民にとっても、また、観光資源としても一番望ましいことであります。  本県では、国の基本方針の策定を受けて、水産動物の種苗の放流並びに水産動物の育成に関する五年間の基本計画を策定されております。今回は、第五期栽培漁業基本計画を策定されることになりますが、策定に当たっては、南北六百キロにわたる広大な海域を有する本県の地域性、独自性を生かすための計画とする必要があります。  そこで、これまでの栽培漁業の成果と課題を踏まえ、新たに策定される計画はどのようになっているのか。また、この計画に基づいた施策の実施により、具体的にどのような成果を期待しているのかお示しください。  最後に、姶良地区住民の悲願である国道十号の磯―重富間未整備区間の四車線化についてお尋ねいたします。  このことにつきましては、これまでも質問をしてまいりました。しかも、国直轄の事業でありますので、その後の状況の変化と国への要請の状況をお伺いいたします。  一番目、難航しているという用地交渉は、現在も行われているのか。  二番目、鹿児島北バイパスの環境調査の進捗状況はどうなっているか。  三番目、鹿児島市磯地区の都市計画変更の状況はどうなっているか。  四番目、南九州西回り自動車道や東九州自動車道が終了しなければ十号の改良は着手されないのか。  以上、姶良地区の県民が利用をせざるを得ない国道十号の整備計画についてお伺いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 38 ◯知事(伊藤祐一郎君) 姶良町の住民投票条例の開票要件等についてのお尋ねがありました。  まず、市町村合併は、より多くの住民の方々が関心を持って参加していただきたかったと考えております。また、一部に開票要件を六〇%とした上で、御指摘もございましたように、投票に行かないようにする動きが見られましたことは、民主主義のあり方としてもまことに残念なことであると考えております。  旧法下で市町村合併に至らなかった要因は、それぞれの市町村や地域によってさまざまでありますので、市町村合併推進構想の策定に当たりましては、これまでの合併の取り組みの経緯等を十分勘案いたしますとともに、関係市町村や今後設置いたします合併推進審議会の意見も十分承る必要があると考えております。 39 ◯商工観光労働部長(原田耕藏君) 商工会の広域連携や合併に伴います組織体制のあり方につきましては、県商工会連合会が設置いたしました商工会広域連携・合併対策委員会におきまして、経営指導員の配置のあり方も含め調査検討が行われてまいりましたが、本年三月に報告書が取りまとめられたところでございます。  この報告書では、平成十八年四月から、各地区に広域担当経営指導員と地区担当経営指導員を配置し、広域指導体制の確立を目指すこと等が示されたところでございます。  県といたしましては、同報告書で示された経営指導員の配置のあり方や市町村合併の動向、地域の実情等を十分に踏まえながら、効率的かつ効果的な組織体制が確保されるよう適切に対処してまいりたいと考えております。 40 ◯林務水産部長(諏訪弘美君) 栽培漁業の成果につきましては、鹿児島湾のマダイでは、昭和五十五年に大量放流を開始して以来、漁獲量は増加してきましたが、近年放流尾数や遊漁者との関係もあって、漁獲量は以前ほどではないものの、百トン前後を維持しております。ヒラメにつきましては、漁獲に占める放流魚の割合が増加いたしております。これらのことから見て、放流事業が本県沿岸域における水産資源の維持回復に貢献していると考えております。  放流栽培漁業につきましては、国、県などの厳しい財政状況の中での放流数量の確保、遊漁者の負担のあり方、新たな放流用種苗の開発と安定供給などが課題となっております。  こうした栽培漁業の課題解決を目指し、先般国が策定した第五次栽培漁業基本方針に基づき、県の第五期栽培漁業基本計画、平成十七年度から二十一年度まででございますが、これにつきましては、市町村、漁協など関係機関の意見や海区漁業調整委員会の意見を求めますとともに、県民へのパブリックコメントを実施するなど計画の策定作業を進めているところでございます。  計画では、適正な放流数量の確保、放流サイズの大型化、種苗生産技術の開発、隣県との共同放流調査による放流効果の把握などモニタリング体制の整備とともに、放流後の適切な育成・管理を図るための藻場、魚礁等の活用、適切な費用負担のあり方の検討などを盛り込むことにいたしております。放流対象の魚種につきましては、マダイ、ヒラメのほか新たにオニオコゼを加えた十一種を計画し、適地に適種の放流を基本といたしております。  今回策定いたします第五期栽培漁業基本計画の実施による具体的効果といたしましては、良質な種苗を適正な数量確保するとともに、放流サイズを大型化することにより、水産資源の維持、増大が図られますこと、隣県との共同放流調査による放流手法の改善が図られること、受益者の適切な費用負担による持続的な栽培漁業の確立が図られることなどでございます。  県といたしましては、栽培漁業基本計画を着実に推進することにより、水産資源の維持増大が図られ、漁業者の生産性の向上及び経営の安定に資するよう努めてまいりたいと考えております。 41 ◯土木部長(加藤憲一君) 国道十号の四車線化につきましては、これまで姶良バイパスなどの整備をおおむね終えまして、現在鹿児島北バイパスの整備に向けた調査・検討がなされているところでございます。重富から花倉間で過去に補償交渉が難航した箇所につきましては、公共事業の削減などに伴い現在交渉を休止していると聞いているところでございます。  鹿児島北バイパスにつきましては、磯の道づくりPI委員会からの海水浴場から花倉川までをボックスとする案と磯側までをボックスとする案が併記された提言を受けまして、これまで国において最終案の決定に向け、環境調査などの諸調査が行われているところでございます。  今後、磯地区のまちづくりの観点を踏まえるとともに、コスト縮減等を勘案しながら、環境に対する影響の度合いや事業の可能性の調査などを行いまして、都市計画変更に向けた最終案を検討していくと聞いております。  県といたしましては、南九州西回り自動車道など高規格幹線道路の整備はもとよりでございますが、本路線の整備についても、交通円滑化や災害に強い道づくりの観点から重要であると考えており、公共事業が削減される厳しい状況でありますが、地元の協力を得ながら、重富から鹿児島間の整備が図られますよう今後とも引き続き国に強く要請してまいりたいと考えております。    [岩下吉廣君登壇] 42 ◯岩下吉廣君  錦江市の合併の件でありますが、鹿児島市の市長選挙、先般行われました。投票率が四〇・七六%でありまして、投票率が低かったからといって開票されなかったでしょうか。住民に最も身近な六〇%という住民投票のハードルは、人口の少ない地域では六〇、七〇というハードルをつくったところもあるわけでありまして、それはそれでその数字が適正であるかどうかは別問題といたしまして、都市化の進んでいく隣接の姶良町でありますが、大変厳しいハードルの数字だったと思っております。  合併は、それぞれの地方自治体がそれこそ自主的に行うものであることはよく理解をいたしておりますが、また、議論を尽くして合意の上でしなければならないものだということもよく理解しているつもりでありますが、住民の視線で、住民の目線で地方自治は考えるべきであると思いますし、政治にかかわる者も、行政に携わる者も、住民に対して現状や将来の予測をよく理解できるように説明する説明義務を背負っているんだと思います。  今回の合併に対する住民運動の民意が町議会や行政トップの意向決定に反映されるよう、新しく始まる合併新法のもと第二弾の市町村合併が推進されますように、県といたしましても、御指導、御協議を進めていただきますようお願いを申し上げます。  栽培漁業でありますが、先般お話をしておりましたらば、禁漁にするとすぐに魚がふえるんだそうでありまして、いくら放流しても乱獲をしておりますと、放流・栽培漁業の効果が生じないわけでありまして、その辺は漁業者といわゆるプレジャーで、趣味で釣りをなさる方、それぞれあわせて努力をしなければいけない部分であると思うんでありますが、ぜひタイも五十五ミリが七十ミリになるんですかね。少しでも歩どまりのよいような放流を心がけていらっしゃるということでありますので、重ねて御努力と御指導をいただければ大変ありがたいと思います。  最後に、十号でありますが、十号は、選挙区のどこに行きましても十号は何とかならんのかと必ず問われる、要望される事項でありまして、これは、姶良地区選出のすべての県議の先生方、同じ感触をお持ちだろうと思います。  なかなか大変な時期でありますし、大変な事業であることもよく理解をいたしておりますので、どうぞよろしく御努力をお願いいたしまして、私の一般質問終わります。ありがとうございました。(拍手) 43 ◯議長(金子万寿夫君) 以上で、通告による質問は、全部終了いたしました。  これで、質問は終結いたします。       ─────────────    △ 議案第一一〇号―議案第一二九号及び報告第二号委員会付託 44 ◯議長(金子万寿夫君) 次に、議案等の委員会付託であります。  今回、提出されました議案第一一〇号から議案第一二九号まで及び報告第二号は、配付いたしております議案等付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。  議案第一三〇号から議案第一三二号までは、会議規則第三十九条第二項の規定によって委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 45 ◯議長(金子万寿夫君) 異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 46 ◯議長(金子万寿夫君) 七月六日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、議案等及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。       ─────────────    △ 散  会 47 ◯議長(金子万寿夫君) 本日は、これで散会いたします。         午後三時六分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...